2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13555270
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長谷川 和彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60106804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 秋彦 独立行政法人水産総合研究センター, 水産工学研究所, 研究員 (10344334)
浜本 剛実 福井工業大学, 工学部, 教授 (30107130)
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Keywords | ブローチング / 復原力変動 / バウダイビング / 操縦性流体力 / 非線形波力 / 転覆模型実験 / 多重時間スケール法 / 滞留水 |
Research Abstract |
本年度は、極限海象下における不安定船体運動の予測法確立に向けての研究の第2年目として、昨年度の比較計算につづいて、数値シミュレーション・モデルの改良に取り組んだ。まず追波、斜め追波中のブローチングについては、横流れ角、横傾斜角、波との出会い角の種々の組み合わせに対する拘束模型実験を実施した。その結果、横復原力の波浪影響は、フルードクリロフ仮説として説明できるという従来の定説とは異なり、横傾斜による揚力の寄与が無視できないことが確認できた。これに加えて、線形操縦流体力への波影響、平水中操縦流体力の非線形性、波力の非線形成分など、波岨度やそれによる横運動の2次の成分をその整合性を保ちながら取り込んだ新たなシミュレーション・モデルを構築した。そのモデルを用いて転覆模型実験との比較を行ったところ、ブローチングに関わる時系列や転覆限界の推定において、顕著な改善が見られた。ここでは、前後方向波力の振幅の非線形性がとりわけこの改善にとって重要であった。また、これまで予測のできなかった、バウダイビングについては、追波中の縦揺れ、上下揺れから船首相対変位を計算し、模型実験でのバウダイビング発生条件がその相対変位の計算値と強い相関のあることが確認された。この過程で、北欧のまき網漁船がバウダイビングに対して日本のそれよりも安全であることが実験的に確認された。さらに、横波中の損傷船の転覆に対して、破口からの滞留水の増加による流体力係数の時間的変化を合理的に計算する方法を、摂動論的に示し、実際のシミュレーション計算において、その方法が従来の簡便法を改善できることを示した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] N.Umeda, H.Hashimoto, A.Matsuda: "Broaching prediction in the light of an enhanced mathematical model, with higher-order terms taken into account"Journal of Marine Science and Technology. 7(in press). (2003)
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[Publications] 松田秋彦, 橋本博公, 梅田直哉: "バウダイビングによる転覆現象 -第1報 バウダイビング発生条件-"日本造船学会論文集. 192. 201-207 (2002)
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[Publications] A.Matsuda, N.Umeda, H.Hashimoto, S.Urano: "Comparison of Northern European and Japanese Purse Seiners by Capsizing Model Experiments"関西造船協会論文集. 238. 121-129 (2002)
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[Publications] H.Hashimoto, N.Umeda, A.Matsuda: "Enhanced Approach for Broaching Prediction with Higher Order Terms Taken into Account"Proceedings of the 6^<th> International Ship Stability Workshop. 3.3.1-3.3.8 (2002)
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[Publications] N.Umeda, Y.Mizogami, Y.Ohkura, K.Hasegawa: "Numerical Prediction on Capsizing of a Damaged RoRo Ship in Irregular Beam Waves"Proceedings of the Asia Pacific Workshop on Marine Hydrodynamics. 32-36 (2002)