2003 Fiscal Year Annual Research Report
成人T細胞性白血病ないしリンパ腫の発病を阻止する為の発病前病理診断法の開発
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13557017
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
蓮井 和久 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (70198703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神崎 保 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80118801)
瀬戸山 充 宮崎大学, 医学部, 教授 (30128433)
米澤 傑 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10175002)
村田 長芳 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60020765)
出雲 周二 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30143811)
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Keywords | 末梢血組織標本 / 白血病 / ATLL / HTLV-1キャリアー / 超高感度免疫組織化学 / p53蛋白 / リン酸化p53蛋白 / 表面温度 |
Research Abstract |
研究3年目(最終年度)として、1)前年度確立した超高感度免疫組織化学的染色方法(simplified CSA法)を更に改良し、非特異反応をほぼ無視できるnew simplified CSC法(nsCSA)を確立し、特許申請を行った。 2)成人T細胞白血病(ATL)等とHTLV-1キャリアーの末梢血組織標本(PBST)で、このnsCSAにより、増殖サイクルにある細胞が発現するKi67抗原、増殖抑制遺伝子産物であるp53蛋白、DNAとの結合領域のSer392のリン酸化を受けてDNA損傷やcheck pointの制御に関係するp53蛋白の発現を検索し、a)HTLV-1キャリアーをp53蛋白とリン酸化p53蛋白の発現のないA群、リン酸化p53蛋白のみの発現のあるB群、p53蛋白の発現も示すC群にすると、その年齢はA,B,Cの順に高齢化を示し、p=0.049で有意差が認められた(Kruskal-Wallisの検定)。b)HTLV-1キャリアーでは、また、非常に多くの白血球がPBSTでは増殖サイクルにあるか離脱直後であることが判明し、園田の言うHTLV-1キャリアーにおける突発的リンパ球増多をKi67のnsCSA法で検出出来ることが示唆された。c)ATLでは、非常に多くの細胞がKi67抗原陽性で増殖サイクルにあるか離脱直後であり、リン酸化p53蛋白の発現が顕著であり、p53蛋白の発現も見られたが、急性骨髄性白血病やB細胞性慢性リンパ球白血病ではKi67抗原陽性の増殖細胞が少なく、リン酸化p53蛋白の発現も目立たなかった。d)nsCSAによるp53蛋白とリン酸化p53蛋白の発現の検出は、伝染性単核症やリンパ球増多症でも見られ、遺伝子変化による病的現象ではなく、生理的な増殖に関係したものであると考えられた。 3)in-situ hybridizationやin-situ PCR法の実施の為の基礎実験として、スライドガラスの表面温度をモニターすることを試み、スライド標本の温度の制御の方法を検討した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hasui K, Takatsuka T, Sakamoto R, Su L, Matsushita S, Tsuyama S, Izumo S, Murata F.: "Improvement of supersensitive immunohistochemistry with an autostainer : simplified catalyzed signal amplification (CSA) system"Histochemical Journal. 34. 215-222 (2002)
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[Publications] Hasui K, Utsunomiya A, Izumo S, Goto M, Yonezawa S, Sato E, Kanzaki T, Murata F.: "An Immunohistochemical Analysis of Peripheral Blood Tissue Specimens from Leukemia Cells : Leukemic Cells of Adult T-cell Leukemia/Lymphoma Express p40Tax Protein of Human T-cell Lymphotropic Virus Type 1 When Entering Reproliferation."Acta Histochem.Cytochem. 36. 345-352 (2003)
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[Publications] Hasui K, Takatsuka T, Sakamoto R, Matsushita S, Tsuyama S, Izumo S, Murata F: "Double autoimmunostaining with glycine treatment."J Histochem Cytochem.. 51. 1169-1176 (2003)