2004 Fiscal Year Annual Research Report
化学形別セレン栄養状態と生活習慣病との関連に関する疫学コホートの設定
Project/Area Number |
13557032
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小山 洋 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30143192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 庄亮 労働福祉事業団群馬産業保健推進センター, 所長(研究職) (40010011)
本郷 哲郎 山梨県環境化学研究所, 環境健康研究部, 主幹研究員 (90199563)
笹田 陽子 盛岡大学, 短期大学部, 教授 (30258769)
宮崎 有紀子 上武大学, 看護学部, 教授 (00251190)
野尻 雅美 桜美林大学, 大学院・国際学部, 教授 (70009520)
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Keywords | セレン摂取量 / セレン化学形分析 / グルタチオンペルオキシターゼ / セレノプロテインP / アルプミン / 簡易食品摂取頻度調査票 |
Research Abstract |
1.食品中セレン濃度の測定 疫学コホート調査地である岩手県大迫町において陰膳方式(20名)でサンプリングを行なった約1,000サンプルの食品について、セレン含有量の測定を終了した。陰膳のサンプリング時に秤量した各食品の重量をかけることによってセレンの一日摂取量を算出する。 また、この食品中セレン含有量のデータを用いて、簡易食品摂取頻度調査票で得られた一回に摂取する食品の目安量と摂取頻度とをかけ合わせることによって、セレンの摂取推定量を算出した。 2.血清中セレンの化学形別分析 岩手県大迫町においてサンプリングしてあった保存血清をHPLC-ICP-MS法を用いてセレンを含有する3成分(グルタチオンペルオキシダーゼ、アルブミン、セレノプロテインP)への分別分析を行なった。過去に行なった健康人における分析では、3成分それぞれに含まれるセレンの割合は、18.3%、26.4%、55.3%でセレノプロテインPに含まれるセレンがもっとも高かった。大迫コホートにおいてfollow up中に脳卒中を発症された方30名と健康対照者30名とのnested case-control studyを行ない、case中のセレノプロテインPが有意に低値であり、セレノプロテインPが少ないことが脳卒中のリスクとなることが示唆された。 3.ヒトにおけるセレン補充の健康影響の検討については、セレン錠剤(200μg)投与一週間で、血液流動度の改善が示された。さらに、セレン投与前後に採血した血清中のセレン濃度、セレン酵素であるグルタチオン・ペルオキシダーゼ活性および血液生化学検査項目の測定を行なった。血清中のセレン濃度は上昇しているが、グルタチオン・ペルオキシダーゼ活性の上昇は有意でないこと、すなわち、セレン補充はグルタチオン・ペルオキシダーゼ以外のメカニズムを介して血液流動度の改善に働いていることが考えられた。
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Research Products
(4 results)