2003 Fiscal Year Annual Research Report
高感度の電気化学発光免疫測定法による新たなKL-6関連血清マーカーの開発
Project/Area Number |
13557051
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
河野 修興 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80215194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 正幸 財団法人田附興風会, 医学研究所, 第5研究部長(研究職) (90250076)
横山 彰仁 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (30191513)
檜山 桂子 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教授 (60253069)
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Keywords | KL-6 / MUC1ムチン / 血清マーカー / ECLIA / 電機化学発光免疫測定法 / モノクローナル抗体 / 間質性肺炎 / 肺癌 |
Research Abstract |
平成15年度には,昨年度に引き続き,M8アナライザー(IGEN社,UK)を用いたハイブリドーマのスクリーニング法の感度をさらに高め,かつ,より短時間での測定を可能にするための改良を行うと同時に,複数の癌細胞株で免疫したBALB/cマウス数種類とマウス骨髄腫細胞を細胞融合することにより,新たなモノクローナル抗体産生ハイブリドーマの樹立を操り返し行った. M8アナラィザーは,ルテニウム錯体に電流を流し発光させることを応用した電気化学発光免疫測定法(electrochemiluminescence immunoassay:ECLIA)を行うための機器であり,これに私たちが以前より開発し報告してきた逆間接サンドイッチ抗体法(reversed indirect sandwich assay:RISA)を組み合わせたスクリーニング法を確立することにより,酵素抗体法を使用したRISAであるRI-ELISAの検出限界に比べ、約1,000倍の低濃度まで検出することを可能にし、測定時間は約6分の1に短縮することができた。 このスクリーニング法を用いることで,肺癌患者あるいは間質性肺炎患者のプール血清に対して強いシグナルを示すマルチクローナル抗体は,16種類得られた.この中から,非特異的な反応を示す抗体を除きクローニングを行ったが,元来ハイブリドーマは増殖力が弱く不安定な細胞であることが多いため,クローニング,凍結・解凍の操作の過程で,多くのハイブリドーマが抗体産生能を失ったり,死滅したりした.このため,最終的に樹立されたモノクローナル抗体はわずかとなったものの,オリジナルのKL-6とは異なるエピトープを認識している抗体の存在が推測された. ハイブリドーマのスクリーニング法確立に予想以上の多大な時間を要したものの,現在,極めて高感度でしかも短時間に測定することができるアッセイ系を確立することができた.これにより今後は,細胞融合を繰り返し継続し,肺癌患者血清・間質性肺炎患者血清に対して,KL-6よりもさらに高い感度・特異度で反応するモノクローナル抗体を樹立していく予定である.
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[Publications] Ohnishi H: "Circulating KL-6 levels in patients with drug induced pneumonitis"Thorax. 58・10. 872-875 (2003)
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[Publications] Sun AP: "KL-6, a human MUC1 mucin, is expressed early in premature lung"Respir Med. 97. 964-969 (2003)
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[Publications] Ishizaka A: "Elevation of KL-6, A Lung Epithelial Cell Marker, in Plasma and Epithelial Lining Fluid in the Acute Respiratory Distress Syndrome"Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol. (In press).
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[Publications] Miyazu Y: "Endobronchial ultrasonography in the diagnosis and treatment of relapsing polychondritis with tracheobronchial malacia"Chest. 124・6. 2393-2395 (2003)
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[Publications] Sun AP: "Immunohistochemical characterisation of pulmonary hyaline membrane in various types of interstitial pneumonia"Pathology. 35・2. 120-124 (2003)
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[Publications] Irifune K: "T-helper 1 cells induce alveolitis but do not lead to pulmonary fibrosis in mice"Eur Respir J. 21・1. 11-18 (2003)
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[Publications] 河野 修興: "呼吸器疾患とKL-6(Annual Review 呼吸器 2003)."中外医学社, 東京. 282 (2003)