2001 Fiscal Year Annual Research Report
慢性心不全の左室形成術に対する臨床における効果改善のための研究
Project/Area Number |
13557108
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
米田 正始 京都大学, 医学研究科, 教授 (20303810)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅 弘之 国立循環器病センター, 研究所, 所長 (90014117)
木原 康樹 京都大学, 医学研究科, 助手 (40214853)
西村 和修 京都大学, 医学研究科, 助教授 (70252450)
|
Keywords | 左心室瘤 / 左室形成術 / リモデリング / ACE阻害薬 / 心筋梗塞 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
左室瘤に対する左室形成術(LVR)では術後の成績や長期管理において不明なことが多い。昨年、medication無しの動物モデルでは術後遠隔期に左室リモデリングを来し、生理学的検査において左室機能が悪化することを報告した。LVR後の心筋における分子生物学的評価においても、BNP mRNAは遠隔期に増加、左室機能低下を意味すると考えられ、LVRの成績向上にadjuvant therapyが必要と考えた。 ACE阻害薬(ACEI)は心筋梗塞後の左室リモデリングを抑制する効果が報告されており、LVRの成績向上に有効と考え、以下の研究を行った。【方法】SDラットでLADを結紮。4週後に左室瘤が完成し、これを以下の3群に分けた。R群; LVR後にプラセボ(生食水)を投与した群、A群; sham手術後にACEI(リシノプリル10mg/kg/day経口)を投与した群(n=10)、RA群; LVR後ACEIを投与した群(n=10)。LVRでは瘤を縫縮。評価はエコーで、短軸像における拡張期および収縮期の左室面積(LVEDA・LVESA)とその変化率Fractional area change (FAC)を計測。また4週目にカテーテル施行後、犠牲死させ、8-OHdGを免疫染色し、酸化ストレスを評価した。【結果】LVRを行った2群は1週間目にはA群に比べLVEDA-LVESAは小さくFACも良好だった。4週間目にはR群では心拡大を来しFACも悪化したが、RA群では依然A群に比べFACは良好であった。またE-MaxはRA群のみ他の2群より有意に高かった。酸化ストレスはACEI投与の2群でR群より軽度であった。【結論】LVRは左室瘤における左室収縮力の改善に有用だが、その効果は一時的なもので徐々に再拡張・増悪する。ACEIを術後投与することにより、LVRの効果が持続し易く、酸化ストレス軽減の関与が考えられる。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Takeshi Nishina: "Initial Effects of the Left Ventricular Repair by Plication May Not Last Long in a Rat Ischemic Cardiomyopathy Model"Circulation. 104 suppl I. I-241-I-245 (2001)
-
[Publications] Takeshi Nishina: "A Rat Model of Ischemic Cardiomyopathy for Investigating Left Ventricular Volume Reduction Surgery"Journal of Cardiac Surgery. (in press).
-
[Publications] 仁科 健: "虚血性心筋症の外科治療"Cardiovascular Med-Surg. 3. 228-233 (2001)