2003 Fiscal Year Annual Research Report
タンデム加速器を利用した先進的単色中性子源の実用化と中性子ビーム理工学への応用
Project/Area Number |
13558064
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡辺 幸信 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (30210959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 伸夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (70193208)
相良 建至 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (00128026)
的場 優 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (60037827)
中村 裕之 北九州工業高等専門学校, 助教授 (70172434)
若林 源一郎 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (90311852)
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Keywords | 加速器中性子源 / MeV / (p, n)逆運動学 / タンデム加速器 / 単色中性子 / 水素ガスターゲット / 高速中性子スペクトロメータ / 核データ測定 |
Research Abstract |
本研究では、中性子利用に関連した基盤技術の整備・高度化を目指し、いわゆる"gap"領域(8〜14MeV)の単色中性子標準場を九州大学タンデム加速器実験施設において開発・実用化することを目標としている。 今年度は、ビームパルス化の最適化とMeV領域の高速中性子スペクトルメータの特性評価に主眼を置いた研究開発を行った。 まず、重陽子の連続ビームをタンデム入射ビームラインに設置されたバンチャーと出口ビームラインに設置されたチョッパーを用いて効率良くパルス化する。4MeVの重陽子ビームに対するパルス化最適化条件を求める実験を行った。パルス化の確認には、Al(d,p)反応からの陽子を半導体検出器カウンターテレスコープで計測する手法を採用した。実験結果は、バンチャーのみで4.8nsec、チョッパーを連動させて、3.1nsecのパルス幅のビームを得た。検出器の時間分解能を考慮すると、ビーム自身は2nsec程度と見積もられた。また、d+dや^1H(^<13>C,n)反応を利用した中性子源用水素ガスターゲットのガス供給系を新規製作し、又、TOFデータ収集系の整備を終えた。 次に、Am-Be中性子源を用いて、実験に使用する^6Li捕獲ゲート付高速中性子スペクトルメータの動作特性を調べた。本スペクトルメータは、^6LiガラスシンチレータとBC501A有機シンチレータからなる中性子検出器である。^6Liガラスシンチレータの発光でゲート信号を作ることで、検出器内で完全に熱化した中性子のみの有機シンチレータ光応答を測定でき、単色中性子に対する検出器応答が改善できる。実験の結果、ガンマ線との分離もよく、熱化時間を含め、本スペクトルメータの動作特性を確認した。その結果、中性子源からの中性子モニター用に使用できることが分かった。
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