2001 Fiscal Year Annual Research Report
環境試料中に含まれるダイオキシン類の高精度1日分析システムの構築
Project/Area Number |
13558068
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
太田 壮一 摂南大学, 薬学部, 助教授 (10213729)
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Keywords | 超音波還流抽出 / ソックスレー抽出 / ダイオキシン類 / ダイオキシン1日分析システム / フラッシュクロマト化 / 高精度迅速分析法 / PCDD / PCDF |
Research Abstract |
研究初年度においては、まず、ダイオキシン類分析に最も時間を費やしていた抽出法に焦点を絞って、検討を行った。ビックホーン型超音波還流抽出装置を用いて、灰及び土壌試料を用いて、それらの抽出温度、超音波の強度及び時間等に関する最適抽出法を検討した結果、通常、トルエンソックスレー抽出法では、16時間以上費やしていた抽出時間が、それぞれ僅か30及び20分間の短時間でで、その抽出が完了することが可能となった。次に、連結型フラシュ多層シリカゲル・アルミナあるいは活性炭カラムクロマトの採用により、従来法では6時間程度かかっていた操作が約3時間以内までに短縮することができるようになった。従って、上記システムを組み合わせれば、今仮に、朝、出勤してから作業を開始すれば、分析熟練者ならば午前中に、また遅くとも昼の2時〜3時頃までには、測定試料を調製することが可能となり、その後、低分解能GC-MSあるいは高分解能GC-MSのオートサンプラー上に測定試料を設置するだけで、次の日の朝からそれら試料のデータ解析を開始できるものと推察している。今後の課題としては、他の大気や生体試料についても、この抽出法が利用可能であるか否かについて検討すること、並びに既に記載したように、超音波抽出機に関しては、高温のシリコン油を使用することから、油浴部分が密閉式の超音波発生装置の試作、改良を検討する必要があることを検討していく予定である。精製法に関しては、更なる迅速化を実現するために、アルミナあるいは活性炭のフラッシュカラム化を達成することための、充填剤の粒径や溶出条件の開発、検討等を行うことが重要であるものと考察された。
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