2001 Fiscal Year Annual Research Report
電気インピーダンス計測による生体内血管内皮細胞ナノメカニクス計測法の開発
Project/Area Number |
13558121
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Research Institution | Kawasaki College of Allied Health Professions |
Principal Investigator |
後藤 真己 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 教授 (50148699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 精一 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助教授 (60259596)
平松 修 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 講師 (50208849)
片岡 則之 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 講師 (20250681)
梶谷 文彦 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70029114)
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
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Keywords | 電気インピーダンス / 培養内皮細胞 / ずり応力 / 細胞間隙 / 実時間解析 |
Research Abstract |
研究実施初年度である本年度は、培養血管内皮細胞層の電気インピーダンス計測(ECIS ; Electric Cell-substrate Impedance Sensing)用の流れ負荷システム(フローチャンバー)の構築を行った。 通常のECISの計測では、静置培養下の細胞の計測しか行うことが出来ないが、本研究ではフローチャンバー設置用電極アレイ、ならびにECIS計測用のフローチャンバーの製作を行った。装置の妥当性の検証として、細胞を播種せず、フローチャンバー設置用電極アレイのみを用いてインピーダンスの計測を行った。その結果、静置培養用電極アレイと同様の値が得られた。フローチャンバー設置用電極アレイにウシ大動脈由来培養内皮細胞を播種し、大動脈の平均的な値である2Paのずり応力を負荷した。その結果、流れ負荷直後に急激にインピーダンスが上昇し、20分程度後にはほぼ基のレベルに低下した後、さらにインピーダンスの低下が認められた。ずり応力負荷直後の急激なインピーダンスの上昇は、流路内の圧の上昇によって内皮細胞が基質面に押しつけられ、物理的な要因によるものと思われる。その後に見られたインピーダンスが徐々に低下する反応は、ずり応力の負荷によって内皮細胞が形態変化をする過程で、内皮細胞-細胞間、あるいは細胞-基質間のタンパク分布が変化して接着性が変わり、それらの反応を反映したものと思われる。 以上より、本装置を用いれば内皮細胞が生体内に置かれているメカノストレス負荷状態におけるバリアファンクションの評価が可能であることが確認された。次年度はさらに装置に改良を加え、細胞を観察しながら計測が可能なシステムを構築して流れ負荷時の培養内皮細胞の巨視的な挙動(マクロメーターオーダー)と微視的な挙動(ナノメーターオーダー)の関連を検討し、生体内計測(in vivo計測)のための基礎データ集積を図る予定である。
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Research Products
(1 results)