2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13571022
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松本 亮三 東海大学, 文学部, 教授 (20114655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 秀一 東海大学, 文学部, 講師 (60328094)
横山 玲子 東海大学, 文学部, 助教授 (50287041)
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Keywords | ペルー / カイェホン・デ・ワイラス / レクワイ / サンタ / ヤンガヌーコ / ワスカラン / 冶金 / 金山開発 |
Research Abstract |
1.【調査地の概要と調査目的】本調査地ヤンガヌーコ遺跡は、ペルー国アンカシュ県ユンガイ市北方に聳える6000m級の高峰ワスカランとワンドイに挟まれ、海抜3,800mから4,200mにかけて約200,000m^2にわたって広がる細長い谷に位置する。谷の両側面には金を露天掘りした痕跡が残っており、谷の中央部や斜面部に形成された平坦地には、石造の集落址、祭祀施設、墓地、さらには選鉱場や工房と思われる構造が見られる。本年度は、遺跡の表面調査と中心部の地形測量を行うことを目的として調査を行った。 2.【調査の経緯】交付申請を行った時点では、平成13年7月27日より9月8日までの期間に、上記調査を完了する予定であったが、ペルー大統領交代に伴う政情不安が懸念されたため、まず、8月18日〜9月1日に、松本、横山、カリオンが現地の状況視察と現地関係者との打ち合わせを行い、安全を確認した上で、平成14年2月20日〜3月20日の期間に、地形測量を主体とする所期の調査計画を実行・完了した。 3.【調査の成果と今後の予定】インテンシヴな地形測量の結果、遺跡の主体部と最も古い採鉱地を中心に、ほぼ900,000m^2に及ぶ地形図を作成し、遺構を中心とする写真・ビデオ資料を作成した。地形図は今後撮影資料を基に補正し、分析を行うこととなる。また、要所々々で土器片の表面採集と鉱物サンプルの採取を行った。土器片の観察からは、本遺跡が紀元前第1千年紀から少なくとも後1200年頃まで何らかの形で使用されたことが窺われ、当初の予想以上の長期的居住が予想されることとなった。鉱物サンプルは、現在、分析を待つ状態である。平成14年度においては、これらの調査成果を詳細に分析し、8〜9月に再度調査団を派遣して、計画書に記載した通り、発掘調査を行う予定である。 尚、本年度の調査が本計画の準備的色彩が強く、また年度末に行われたため分析がまだ不十分であり、論文を発表するには至っていない。平成14年度調査の進捗を待って成果発表を行いたい。
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