2002 Fiscal Year Annual Research Report
タイ北部・ピン川流域の水・気候・経済・生活環境調査―環境政策提言と環境教育の展開
Project/Area Number |
13572044
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
川嶋 宗継 滋賀大学, 教育学部, 教授 (90093161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅澤 直樹 滋賀大学, 教育学部, 教授 (50093563)
遠藤 修一 滋賀大学, 教育学部, 教授 (30111884)
堀越 昌子 滋賀大学, 教育学部, 教授 (30024970)
森 晶寿 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (30293814)
平井 肇 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (70199032)
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Keywords | タイ北部 / ピン川 / 水文・水質 / 食文化 / 環境教育 / 工業団地 / ダム湖 / 授業参観 |
Research Abstract |
本年度は、研究の2年目であり、昨年度の研究計画に関する議論、基礎的野外調査、資料収集を基にして次の調査研究を行った。ピン川(Mae Ping)の源流から下流、クワン川(Mae Kuang)ダム湖およびクワン川、チェンマイ市内を流れピン川に流入するメカー(Mae Khar)運河の水質調査を行った。ピン川は、源流部では極めて良好な水質であるが、中流部への土砂流入、下流部への都市排水により著しく水質は悪化する。特に、汚濁の著しいメカー運河からの栄養塩類、有機物質、イオン成分の負荷が極めて大きい。工業団地上流のクワン川ダム、下流で工業団地からの処理水が流入するクワン川の水質調査を行うと共に、ダム湖の管理事務所および下流のランプーン市を訪れ、クワン川流域の利水状況やその改善への取り組み、さらに工業団地建設後のクワン川の変貌や環境改善への取り組みについて、管理者、地方自治体、住民代表から聞き取り調査を行った。生活文化との関連からは、タイ北部・東北部では河川の水が米、魚を育み、基幹食料を供給していることや、プラソム、プララーは河川の恵みともいえる発酵食品でタイの食生活には欠かせない食品であることが分かった。プラソムやプララーをつくっている家や工場を訪れ、その分布と河川との関連を調べた。大都市や工業団地を通過した河川の水質は悪化しつつあり、食材の汚染へと直結する危険性をはらんでいることがわかった。さらに、チェンマイ市内の小学校、中等学校の授業を参観し、環境教育の授業記録をとるとともに、いくつかの教科書についてタイ語から日本語への翻訳を依頼し、内容を検討した。また、日本に招聘した研究協力者からチェンマイの水環境・食生活・環境教育について報告を受け、ピン川流域の水環境・生活文化について理解を深めた。来年度は夏に調査を継続し、チェンマイで開催される国際シンポジウムで成果を発表する予定である。
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Research Products
(1 results)