2003 Fiscal Year Annual Research Report
インド,パキスタンおよびベトナムにおける薬剤耐性HIVの分子疫学的研究
Project/Area Number |
13576020
|
Research Institution | NAGOYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山本 直彦 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40220488)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森下 高行 愛知県衛生研究所, 微生物部, 主任研究員
|
Keywords | エイズ / 薬剤耐性 / 開発途上国 / アジア・アフリカ / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
最近、欧米ではAZTをはじめとする強力な薬物療法の中断等より、HIV初感染、未治療者における薬剤耐性ウイルスの存在が問題となっている。本研究は,アジアの中でも特に、推定HIV感染者数が世界最大とされているインドと、その隣国にあって未だHIVの浸淫状況の情報に乏しいイスラム国パキスタン,および日本と経済的、文化的交流の盛んなベトナムにおいて、HIV初感染、未治療者におけるHIV薬剤耐性ウイルスの浸淫状況を調査し、これらウイルスの遺伝学的特徴(genotype)と感染性(phenotype)および種々の薬剤に対する感受性を解析し、発展途上国における将来の薬物治療などのAIDS対策に重要な基礎的および臨床的データーを提供する事を目的とする。 現在、広く利用されている薬剤耐性に関するデーターはサブタイプBにおけるものが殆どであり、世界に広く流行するサブタイプCや日本の性的接触による感染に多いサブタイプEなどいわゆるnon-B型のHIVにおけるデーターのに乏しいのが現状である。われわれが調査対象とした地域に流行するサブタイプは多くがnon-B型である。 平成15年度新たに、アフリカ・ケニアにおいて34例、インドにおいて17例、パキスタンにおいて7例の異性間性的接触により感染した初感染、未治療患者について解析し得た。その結果、強い耐性を示す1次変異は逆転写酵素領域およびプロテアーゼ領域共にみられなかったが、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤およびプロテアーゼ阻害剤に対する2次変異がそれぞれ平均29〜70%と、特にプロテアーゼ領域に高頻度にみられた。
|
Research Products
(1 results)