2002 Fiscal Year Annual Research Report
社会的環境における状況依存的な判断と意思決定プロセスの研究
Project/Area Number |
13610115
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
竹村 和久 早稲田大学, 文学部, 教授 (10212028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 豊 筑波大学, 社会工学系, 教授 (80180412)
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Keywords | 意思決定 / 判断 / 状況依存性 / 社会的環境 / 数理モデル / 計量モデル |
Research Abstract |
人間の判断と意思決定が、文脈や言語表現や手がかりなどによって変異してしまう現象は判断と意思決定の状況依存性としてとらえることができる。本研究では、判断と意思決定の状況依存性を、種々の心理実験を通じて解明し、さらに、この状況依存性を理論的観点から説明し、予測可能な心理計量モデルの作成、その数理モデルの作成、そして、この数理モデルの表現定理の導出を行なうことを主目的とした。まず、第1に、判断と意思決定の状況依存性が生じるのは、どのような状況なのか調査によって明らかにした。第2に、状況依存的な判断と意思決定において、どのような定性的性質と定量的性質があるのかを、心理実験によって明らかにした。第3に、状況に依存する判断と意思決定において、どのような心理的ブロセスが生じるのかを実験によって明らかにした。第4に、これらの実験の知見をもとに、判断と意思決定の状況依存性を説明する心理計量モデルと数理モデルを作成し、状況依存性の記述的理論を提出した。第5に、部分的ではあるが、意思決定の数理モデルの表現定理の解明を行った。これらの研究成果は、国内外の学会および研究集会において発表され、また、その一部は、学術雑誌において公刊されている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Dekay M.L., Takemura K., 他: "Risk-based decision analysis in support of Precautionary policies"Journal of Risk Research. 5(4). 391-417 (2002)
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[Publications] 藤井聡, 竹村和久, 吉川肇子: "「決め方」と合意形成: 社会的ジレンマにおける利己的動機の抑制にむけて"土木学会論文集. No.709. 13-26 (2002)
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[Publications] 若山大樹, 竹村和久: "態度と社会的規範の曖昧性を考慮した消費者の購買意図予測"感性工学研究論文集. 2. 65-72 (2002)
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[Publications] Nakamura Yutaka: "Real interval representations"Journal of Mathematical Psychology. 46. 140-177 (2002)
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[Publications] Nakamura Yutaka: "Lexicographic quailinear utility"Journal of Mathematical Economics. 37. 157-178 (2002)
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[Publications] Nakamura Yutaka: "Additive utilities on densely ordered sets"Journal of Mathematical Psychology. 46. 515-530 (2002)