2002 Fiscal Year Annual Research Report
都市再開発における計画と現実 -老朽密集住宅地区再開発をめぐる住民合意形成-
Project/Area Number |
13610264
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Research Institution | Nagoya College |
Principal Investigator |
難波 孝志 名古屋短期大学, 現代教養学科, 助教授 (00321018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森谷 健 群馬大学, 社会情報学部, 助教授 (10230161)
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Keywords | 老朽密集住宅地区 / 住宅再開発 / 立ち退き / セグリゲーション / 密集新法 / 住民参加 / 住民合意形成 / 都市空間構造 |
Research Abstract |
本研究は,老朽密集住宅地区再開発において生起する諸問題を通して,わが国の今後の都市再開発のあり方を「人間の理論」に基づく人間遡及的・行動論的アプローチによって究明することを目的とする。具体的には,再開発地区住民に対して量的・質的な調査アプローチを行うことにより,「居住者」の合意形成過程を明らかにすることを目指している。 本年度は,第1の調査地として選定した豊中市庄内地区において重点的に調査を実施した。昨年度に引き続き,調査地区の歴史的背景,経済的・社会的実態の把握,関連法・条例・制度,再開発関連資料の収集,人口構成・住宅構成,社会資本等の地域に関する基礎的なデータの収集,再開発現場写真の撮影とともに,本年度は質問紙による量的調査を行った。この調査は,調査対象を再開発に関係した居住者に限定し,再開発前から当該地区で生活している居住者の意識と行動を分析することを目的としている。収集したデータは,統計処理を行うべく現在コンピュータに入力中である。また,今回の量的調査期間中に,次年度ヒアリング調査に向けて被調査者リストの作成を開始した。質的な調査においては,量的調査で得られた知見から再開発合意形成に対する居住者の主観的側面を探る予定である。 第1の調査地との比較を行うために,第2の調査地点として寝屋川市萱島東地区を選定した。当該地区においても,次年度に予定している量的調査に向けて,地域に関する基礎的なデータ収集,再開発前後の写真撮影を展開している。次年度は当該地区において大規模な量的調査を予定している。 以上,本年度の調査研究は,予定通り推移している。
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