2002 Fiscal Year Annual Research Report
一般大学に学ぶ聴覚障害学生への情報支援全国ネットワーク構想
Project/Area Number |
13610335
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Research Institution | Tsukuba College of Technology |
Principal Investigator |
須藤 正彦 筑波技術短期大学, 聴覚部・一般教育等, 助教授 (90206566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 保志 筑波技術短期大学, 教育方法開発センター(聴覚障害系), 助教授 (70212917)
中川 辰男 横浜国立大学, 人間科学部, 助教授 (00164137)
鷲尾 純一 筑波大学, 心身障害学系, 助教授 (80220854)
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Keywords | 聴覚障害 / 難聴 / 高等教育 / 情報保障 / 支援ネットワーク |
Research Abstract |
初年度の調査で情報収集したタイ国のラチャスダカレッジ(バンコク、マヒドール大学内にあり聴覚障害者と視覚障害者を3年ないし4年で教育する高等教育機関)や米国ギャローデット大学のように独立した教育課程にて聴覚障害学生を指導している機関とカナダ、シンガポールのように何らかの情報補償を行いながら一般高等教育機関にて教育を行っている機関、これらの折衷型のスウェーデンのエレブロ大学を訪問し、担当指導教官とのインタビューをつうじて各機関の現指導形態の歴史的経緯、課題に関する資料を収集した。我が国では本学(筑波技術短期大学)がラチャスダカレッジやギャローデット大学と同様の形態をとっている。本学のモデル機関となった米国聾工科大学も聴覚障害学生を対象とした機関であるが、これはロチェスター工科大学なる総合大学の1学部で3年卒業後に他学部に編入する経路も準備されている点が特筆され、独立ながらも統合教育環境に近い。スウェーデンのエレブロ大学はこの形態に最も近く、在学期間中の講義補償、生活情報支援が大学側で準備されていた。ギャローデット大学やラャスダカレッジも講義が手話で行われ、カウンセリング等の心理的支援も準備されていた。 これに対し我が国の一般大学に在籍する大学生においては講義時にボランティアによる手話通訳やノートテークにとどまっていることがEメールやインタビューから明らかになった。こうした問題を大学側の問題として検討するために11月にカリフォルニア州立大学のGary Sanderson氏らを招聘し、SCSにて聴覚障害学生のための情報補償についての衛星会議を開催した。接続大学は福岡教育大学、メディア教育開発センター、愛知教育大学、愛媛大学、熊本大学、群馬大学等で具体的かつ有意義な討論ができた。
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