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2004 Fiscal Year Annual Research Report

アレクサンドル・ゲルツェンの思想を中心とする近代ロシア社会思想の包括的研究

Research Project

Project/Area Number 13610643
Research InstitutionYokohama National University

Principal Investigator

長縄 光夫  国立大学法人横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (60068757)

Keywordsゲルツェン / ロシア・ルネッサンス / ナロードニキ / ボリシェヴィキ革命 / アイリーン・ケリー / 「もう一つの岸に向かって」 / マーチン・メイリア / フランコ・ヴェントゥーリ
Research Abstract

近代ロシアを代表する思想家、アレクサンドル・イヴァノヴィチ・ゲルツェン(1812-1870)の思想は19世紀後半から20世紀の今日にいたるロシア思想に対して、多角的にして多方面的な影響力を保持し続けている。本年度は、本研究の最後の年でもあることから、そのゲルツェンについての研究を改めて歴史的に跡付け、ゲルツェン研究の今日的意義を明らかにしようと努めた。その過程で、ロシア・ルネッサンス期の最中の1912年、ゲルツェン生誕100年を記念したロシアの各種の雑誌特集を収集し、急進的左翼グループによるゲルツェン論から、穏健な自由主義グループのゲルツェン論まで、多様なゲルツェン論を分類した。また、マーチン・メイリア、アイザイア・バーリン、アンジェイ・ヴァリツキ、フランコ・ヴェントゥーリなどの西欧の研究者によるゲルツェン論とロシア(ソヴィエト)のゲルツェン論とを比較し、その差異を明らかにした。中でも、アイリーン・ケリーの最新の研究『もう一つの岸に向かって』は極めて印象深いもので、本年度はこの著作の書評論文という形、上記の諸研究の包括的なサーヴェイも合わせて行った。従来の西欧とソヴィエトの研究がゲルツェンをロシアの急進的左翼グループのリーダーとして、主として「ナロードニキ主義」の鼻祖、あるいは、ボリシェヴィキ革命の先駆とみなし、彼を革命思想史の枠組みの中にのみ位置づけようとして来たのに対して、ケリーのゲルツェン論の特徴は、20世紀初頭のロシアにおける自由主義グループのゲルツェン論の系統を継承し、さらに、ゲルツェンを西欧の自由主義の流れの中に位置づけようとするバーリンのゲルツェン論をも踏まえ、ゲルツェンの思想がショーペンハウエル、ニーチェの問題関心を共有しつつも、ダーウィン以降の進化論思想をも先取りしていたことを明らかにしたところにある。さらに、ケリーはポスト・モダンの思想の行き詰まりをも克服する要因が、ゲルツェンの思想には含まれているとも主張している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2005

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] アイリーン・ケリーのゲルツェン論2005

    • Author(s)
      長縄 光夫
    • Journal Title

      ロシア思想史研究 2号

      Pages: 20-42

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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