2002 Fiscal Year Annual Research Report
区分所有法制の国際比較-現行区分所有法の立法的提言のために-
Project/Area Number |
13620044
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鎌野 邦樹 千葉大学, 法経学部, 教授 (00204610)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟橋 哲 尚美学園大学, 総合政策学部, 専任講師 (20327133)
花房 博文 杏林大学, 社会科学部, 教授 (80208561)
|
Keywords | 区分所有法 / 建物区分所有法 / マンション法 / マンション / 比較法 / マンション建替え / 建替え / マンション管理 |
Research Abstract |
本年度は、以下の研究・調査を実施した。 1 外国法の文献調査 マンションの管理組織(区分所有者の団体、管理者、集会、規約など)、専有部分・共用部分の範囲、および区分所有建物の維持・再建(復旧、建替え、解消)等について、主として、ドイツ法、フランス法、アメリカ法、およびイギリス法の文献調査を行い、わが国の法制の共通点および相違点を明らかにした。これらの諸国とわが国の法制との比較において明らかになった主な点は、諸外国では、一般に区分所有建物の分譲時にほぼ区分所有関係が確定するような制度となっていること、諸外国では、わが国のような建替えの制度が存在しないこと、管理者および区分所有者に管理が義務づけられていることなどである。これらの点については、後の研究発表の項目で掲げた諸論文において詳細に述べているところである。 2 海外調査 上記の文献調査を踏まえて、イギリスおよびドイツにおいて、現地の研究者と研究会を開催し、意見交換を行った。また、現地のマンションを視察し、マンションの管理に実際に当たっている担当者から聞き取り調査を実施した。その結果、法律の規定からは読みとれないマンション管理の実態も明らかとなった。たとえば、ドイツにおいては、管理者の外に現場において管理員が雇用され日常的な管理業務を行っていること、日本とは異なりペット飼育は基本的に認められていること、規約とは別に建物使用規則がありこれにより生活ルールが定められていること等である。 以上の成果については、11研究発表掲載の論文等で公表しているが、さらに今後、継続的に発表することを予定している。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 鎌野邦樹, 花房博文, 舟橋哲ほか1名: "マンション管理制度の比較法研究覚え書き"千葉大学法学論集. 17巻2号. 73-147 (2002)
-
[Publications] 鎌野邦樹: "中間試案の問題点と課題"ジュリスト. 1225号. 5-13 (2002)
-
[Publications] 鎌野邦樹: "マンションの建替えをめぐる問題"法律のひろば. 55巻7号. 19-28 (2002)
-
[Publications] 鎌野邦樹: "建替えについての一考察"遠藤浩先生傘寿記念集・現代民法学の理論と課題(第一法規). 207-230 (2002)
-
[Publications] 鎌野邦樹: "わが国の区分所有法-その発展と比較法的考察-"半田正夫先生古稀記念集・著作権法と民法の現代的課題(法学書院). 584-605 (2003)
-
[Publications] 鎌野邦樹: "区分所有法改正に関する議論"住宅. 51巻7号. 27-31 (2002)