2004 Fiscal Year Annual Research Report
関数解析的手法を用いた微分方程式の解の存在とその性質についての研究
Project/Area Number |
13640158
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
塩路 直樹 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 助教授 (50215943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 載倫 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 教授 (80134815)
寺田 敏司 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 教授 (80126383)
玉野 研一 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (90171892)
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Keywords | 変分法 / 特異楕円型方程式 / nonsmooth analysis / Brezis-Nirenberg型定理 / 正値解の多重性 |
Research Abstract |
次の特異楕円型方程式の正値解の多重存在についての結果を得た。 (1){-Δu=λu^<-q>+u^p in Ω,u=0 on ∂Ω. ただし、ΩはR^Nの有界集合で、λ>0,q>0,p>1とする。昨年度も、この方程式に対して、正値解の多重性の結果を得ていたが、q【less than or equal】1の制限が付いていた。今年度の結果は、q【less than or equal】1の制限を取り払い、q>0の条件だけで、正値解の多重性についての結果を得たことになる。q【less than or equal】1の制限はなくても、正値解の存在については、∂ΩがC^3のとき、Coclite and Palmieri[CPDE,14]は、0<λ<λ^^〜ならば(1)は少なくとも1つの正値解を持ち、λ>λ^^〜ならば(1)は正値解をもたないということを満たすλ^^〜>0が存在することを示している。したがって、正値解の存在についての多重性が、我々の結果の本質的な部分である。結果としては、1<p【less than or equal】(N+2)/(N-2)のとき、ある正数Λが存在し、0<λ<ΛならばC^∞(Ω)∩L^∞(Ω)に属する少なくとも2つの正値解が存在し、λ=Λのとき少なくとも1つの正値解が存在し、λ>Λのときは正値解が存在しないことを示した。また、p>(N+2)/(N-2)の場合にも、変分法によるアプローチで、正値解が少なくとも1つ存在することは示した。さらに、境界の各点がWiener条件を満たすならば、得られた正値解は古典解であることも示した。証明のキーポイントは、nonsmooth analysisの枠組でBrezis-Nirenberg型の定理を証明し、それを使ったところにある。
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Research Products
(3 results)