2001 Fiscal Year Annual Research Report
社会性昆虫ミツバチにおけるリズム生成機構:給餌(feeding)サイクルと時計遺伝子(per gene)の発現調節
Project/Area Number |
13640679
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清水 勇 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (80025486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 摂之 名古屋大学, 人間情報学研究科, 助手 (30283469)
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Keywords | ニホンミツバチ / 明暗サイクル / 自由継続リズム / 概日性リズム / 体内時計 / ピリオド遺伝子 / 給餌サイクル / バイオトロン |
Research Abstract |
ミツバチの概日性リズムは採餌個体の活動リズム、時間記憶、ダンスでの定位に利用されている。これはコロニー内での分業の変化と関連して、個体内での発現が巧妙に調節されていることが知られている。研究代表者らは、予備的実験として、給餌サイクルの影響をみる前に、まずApis ceranajaponica(ニホンミツバチ)の単離採餌個体(フォレージャー)の活動リズムを調査し、明暗サイクル下での同調パターン、全暗(DD)、全明(LL)での自由継続パターン、温度サイクルや自由継続時での温度効果などをみた。その結果、周期的環境への同調・自由継続・位相変位・温度補償性などの典型的な概日時計の基本的特性が確認した。LD12:12の条件では活動は主に、明期の後半にみられたが、前半にもマイナーな活動帯があり、これは恒常条件下(DD.LL)で自由継続リズムをしめすことから、歩行活動リズムにかんしては、2振動体の存在が示唆された。さらに、LD6:6における活動リズムの周期倍化反応や、LD2:22などの24時間周期の明期が極端に短い明暗条件下において、明期の活動ピーク以外に暗期の一定時刻に行動開始点が現れるなどの現象が見出された。またミツバチが2種類のperiod (periodα、β)を脳で発現していること、バイオトロンで飼育したコロニーを用いて明暗条件下でのこれらの発現の挙動についても調査し、時計遺伝子の特性として、確かに日周性をしますことを確認した。これらの予備的結果を参考に給餌効果を検討する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Minamoto T., Shimizu I.: "A novel isoform of vertebrtae ancient (VA) opsin in a smelt fish, Plecoglossus altivelis"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 290. 280-286 (2002)
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[Publications] Shimizu I., Yamakawa Y., Shimazaki Y., Iwasa T.: "Molecular cloning of Bombyx cerebral opsin (Boceropsin) and cellularlocalization of its expression in the silkworm brain"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 287. 27-34 (2001)
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[Publications] Shimizu I., Kawai Y., Taniguchi M., Aoki S.: "Circadian rhythm and cDNA cloning of the clock gene period in the honeybee Apis cerana japonica"Zool Science. 18. 779-789 (2001)
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[Publications] Fujita I., Shimizu I., Abe T.: "Distribution of lysozyme and protease, and amino acid concentration in the guts of a wood-feeding termite, Reticulitermes speratus (Kolbe): possible digestion of symbiont bacteria transferred by trophallaxis"Physiol. Entomol.. 26(2). 116-123 (2001)