2002 Fiscal Year Annual Research Report
社会性昆虫ミツバチのリズム生成機構:給餌(feeding)サイクルと時計遺伝子(pergene)の発現調節
Project/Area Number |
13640679
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清水 勇 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (80025486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 摂之 名古屋大学, 人間情報学研究科, 助手 (30283469)
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Keywords | ニホンミツバチ / サーカデイアンリズム / 明暗サイクル / 体内時計 / ピリオド遺伝子 / 活動リズム / 生物多様性 / スプライスバリアント |
Research Abstract |
昨年度にひき続いて、まずニホンミツバチのperiodのvariants分子の検索を徹底的におこなった。その結果、4種類(α、β、γ、δ)のvariantsがクローニングされ、そのうち2種はすでに我々が報告したα、βタイプのものであった。他の膜翅目昆虫のperiodについても調査し、α、βタイプが、スズメバチ、マルハナバチ、ある種のアリの仲間にも存在することを発見した。膜翅目が分化してきた時にすでに2種が存在していたことになる。また個体レベルでの活動リズムに、光、温度が及ぼす影響についても徹底して調べた。その結果、活動リズムを基準にすると様々な明暗サイクルに対する同調性、LLやDD条件での自由継続性が確認された。また、温度補償性などもあきらかにされ、この種がサーカデイアンリズムの一般的な特性を備えていることがはっきり示された。前年度に引き続きfeeding cycleがperiodの発現に及ぼす影響をみるとともに、多様性研究の視点からオスの飛翔リズムの研究も行った。ボルネオ島では5種のApis属ミツバチの婚姻飛翔時刻がそれぞれ一日の内で分割されていて、一種の時間的棲み分けが行われている事が知られている。これは多種共存系での生物多様性(種)の維持機構の一つと考えられる。その生理的メカニズムは、このような現象の進化のプロセスを考えるうえで興味深いので、モデル系としてニホンミツバチとセイヨウミツバチのオスの飛翔リズムを野外やバイオトロン内で観察し、個体レベルでの歩行活動リズムやperiod遺伝子の挙動を調べて比較した結果についても調べた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Minamoto T., Shimizu I.: "Amolecular cloning and characterization of rhodopsin in a smelt fish, ayu (plecoglossus altivelis)"Comp. Biochem. Physiol.. 134. 559-570 (2003)
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[Publications] Minamoto T., Shimizu I.: "A novel isoform of vertebrtae ancient (VA) opsin in a smelt fish, Plecoglossus altivelis"Biochem. Biophys. Res. Comm.. 290. 280-286 (2002)
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[Publications] Minamoto T., Shimizu I.: "Studies of opsin genes in a smelt fish, Ayu (Plecoglosssus altivelis)"J. Photoscience. 9. 269-271 (2002)
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[Publications] Shimizu I., sakamoto K., Iwasa T.: "Photoperiodic and circadian photoreception in the silkworm, Bombyx mori"J. of Photoscience. 9. 17-20 (2002)
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[Publications] 清水勇, 源利文: "見える世界が魚を変える-魚類の多様性と視覚適応(生物多様性科学のすすめ-生態学からのアプローチ:大串隆之編)"丸善株式会社. 186 (2003)