2003 Fiscal Year Annual Research Report
原始的補体系の解析に基づく円口類の系統発生的位置づけに関する研究
Project/Area Number |
13640700
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Research Institution | Hiroshima Prefectural Women's University |
Principal Investigator |
藤井 保 県立広島女子大学, 生活科学部, 教授 (10181314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 芳明 県立広島女子大学, 生活科学部, 教授 (30154462)
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Keywords | 円口類 / メクラウナギ類 / ヌタウナギ / 補体系 / マンノース結合レクチン関連セリンプロテアーゼ(MASP) |
Research Abstract |
円口類に分類されているメクラウナギ(hagfish)やヤツメウナギ(lamprey)では,抗体非依存的に活性化されオプソニン活性を発現する原始的な補体系が存在し,生体防御の主要な部分を担っている。メクラウナギ類では,限定分解を受けてオプソニン活性を発現する補体第3成分(C3)の性状が既に明らかになっている。また,本研究により,この限定分解反応に関与することが予想される同種セリンプロテアーゼ(補体成分)の全1次構造をコードする完全長cDNAクローン(2,290bp)を単離した。このcDNAクローンは712残基のアミノ酸をコードする翻訳領域を含んでいた。翻訳直後の分子量が80,269Daと予想される推定アミノ酸配列は,ヒト補体成分の一つであるマンノース結合レクチン関連セリンプロテアーゼ1(MASP-1)と最も高い類似性(42.1%)を示した。また,ヒトMASP-1のCa^<2+>結合EGF様ドメインに対応する部域では,64.6%の類似性を示した。また,活性中心セリンがTCNでコードされていること,セリンプロテアーゼ・ドメインが分断エキソンによってコードされていることも,推定アミノ酸配列分子がヌタウナギMASP-1であることを強く示唆している。次に,当該分子と既知のMASP,C1r,C1s,B因子との系統関係を,Clustal-Xを用いた解析により調べた。その結果,レクチン認識部位であるH鎖で作成された系統樹では,本種MASP-1は,ヤツメウナギMASP分子群と同一系統群を形成した。一方,トリプシン様セリンプロテアーゼ・ドメインからなるL鎖では,ナメクジウオ及び脊椎動物各綱の動物のMASP-1との間で同一系統群を形成することがわかった。現在,本研究成果に基づいて作成された,抗ヌタウナギMASP-1抗体を活用した当該分子に関する研究が進行中である。
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Research Products
(2 results)