2002 Fiscal Year Annual Research Report
人道的地雷除去のための地雷原走行用作業移動型ロボットの開発
Project/Area Number |
13650445
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
大里 有生 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (20143737)
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Keywords | 移動ロボット / 人道的地雷除去 / 地雷探知 / 作業移動型 / 移動作業者 / 斜毛駆動方式 / 毛状多足型移動 / 対人地雷 |
Research Abstract |
本研究は、地雷探知器を携帯して歩行移動しながら対人地雷の探知・除去作業を行う現行の人道的地雷除去作業の危険性を解消するため、作業者が地雷原を歩行せず移動作業車に乗車して地雷原を走行移動し車上で探知・除去作業を安全に行えるための移動作業車の開発が不可欠とする考えに基づき、「対人地雷を起爆させることなく安全に走行移動できる地雷原走行用作業移動ロボット」を新たに開発した。地雷原表面への負荷重量による接地圧力が高い従来型駆動方式(車輪駆動、クローラ駆動、脚式)では対人地雷の起爆圧力(最小100g重/cm^2)・感知力(最小5kg重)を越えるため、従来にない新しい駆動方式を開発した。本研究では、接地圧力を小さくするための駆動方式として4万5千本の斜毛(直径2.5mm、長さ430mm、材質ポリエステル)を用いた「対地適応性・重量物可搬性の高い斜毛駆動による毛状多足型駆動方式」を開発し、最大可搬重量120kg重・自重480kg重による総重量600kg重のロボットに対して、接地圧力を90g重/cm^2に、対人地雷への負荷力を2.5kg重以下に抑え、ロボット総重量を4万5千本の斜毛に負荷分散(斜毛1本当たりの負荷重量を35g重以下に抑制)することを可能にした。これにより、起爆感知力が5kg重以上の対人地雷に対して、これを起爆させることなく走行移動できる移動作業車の実現が基本的に可能であることが判明した。開発したロボットは、全長3.52m、全幅1.66m、全高1.2m、作業面高さ0.7mの車体を持ち、ガソリン発電機・主電動機により主軸円筒カムを回転させ左右それぞれに配置した8斜毛ブロック間に蠕動的運動を与えて、斜毛の順方向と逆方向移動時に発生する接地摩擦力差を利用して移動する。ロボットの最高移動速度は分速4m、前進、後退、左右への旋回及び信地旋回も可能である。柔軟な斜毛による接地移動により最大踏破段差高さは約20cmであり、凹凸地面の走行に強いことが確認された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 星名清貴, 飯塚智哉, 大里有生: "人道的地雷除去のための地雷原走行用作業移動型ロボットの開発"第10回日本ファジイ学会北信越支部シンポジウム講演論文集. 33-38 (2001)
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[Publications] 木谷朋之, 星名清貴, モンチャイ・ミートン, モハメド・ファハミ・ビン・スイライマン, 大里有生: "人道的地雷除去のための地雷原走行用作業プラットフォームの製作"日本ファジイ学会第19回ファジィワークショップ論文集. 27-30 (2002)