2003 Fiscal Year Annual Research Report
ダム深層冷水の冷熱エネルギー活用と水質改善効果の評価に関する研究
Project/Area Number |
13650601
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
古賀 憲一 佐賀大学, 理工学部, 教授 (00108656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 宏之 佐賀大学, 低平地研究センター, 教授 (70117315)
門出 政則 佐賀大学, 理工学部, 教授 (80109222)
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Keywords | ダム深層冷水 / ダム貯水池 / 富栄養化対策 / 冷熱源 / 熱交換器 / 混合循環 / 寒冷栽培 |
Research Abstract |
本研究は、ダム貯水池成層期の深水層に存在する深層冷熱をダム周辺地域の付加価値型の農産業に有効活用し、冷却排水をダム表水層へ返流させることによって(深層循環型と略記)水質改善をも可能とする技術の開発を最終目的としている。具体的には、ダム貯水池の成層期における水温・水質特性を把握し、水質解析モデルを構築する。そして、循環曝気法による水質改善効果の評価を行い適切な循環流量を得るための推定式を求める。冷熱エネルギーの主要目的をビニールハウスと住宅の冷房とし、冷熱有効活用に関する農産物のフィージビリティはビニールハウスを対象とする。 平成15年度においては、ダム貯水池の水質改善効果を的確に予測評価する必要があることから、水温分布の形成過程と鉛直混合による水質改善効果を把握するための鉛直2次元モデルの構築を行い、実ダムにおけるモデル整合性を高めた。混合循環方式による水質改善効果については、揚水発電を有する管理ダムに適用し、循環水量と水質改善効果との定量的に把握できることを確認し、モデル精度を高めた。本方式は、ダム貯水池内の鉛直水温分布に影響を及ぼし、その水温分布の変化状況に応じて藻類の増殖抑制効果も変化することから、他の半閉鎖性及び閉鎖性水域における藻類増殖の水温依存特性について詳細な基礎データの収集を行った。 ダム貯水池の深層冷熱をビニールハウス栽培に適用することを前提として県内のダム貯水池の周辺地域から適地を選定し、フィージビリティスタディを実施した。水質改善効果については、夏期における水質改善効果が確認された。経済評価については、曝気循環法との比較評価を行い、維持管理の面から深層循環方式が経済的に有利であることを確認した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 古賀憲一: "諫早干拓調整池の水質解析"環境工学研究論文集. 40. 541-550 (2003)
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[Publications] Narumol V.: "Integrated model for water quality analysis in the Chikugo Baisn and the Ariake Sea"環境工学研究論文集. 40. 515-522 (2003)
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[Publications] 松山泰也: "洪水調節を主体としたダム貯水池の水質計算"土木学会第58回年次学術講演会. 557-558 (2003)
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[Publications] 川邊学: "水塊モデルを用いたダム貯水池の水質計算"土木学会西部支部研究発表会. 478-479 (2004)
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[Publications] 松山泰也: "ボックスモデルを用いたダム貯水池の水質解析"土木学会西部支部研究発表会. 476-477 (2004)