2003 Fiscal Year Annual Research Report
植物性産業廃棄物の再資源化システムとその応用に関する研究
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13650602
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
増田 純雄 宮崎大学, 工学部, 助教授 (70117422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 正仁 鹿児島工業高等専門学校, 助教授 (40239843)
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Keywords | 焼酎蒸留粕 / 飼料化 / 農業資材化 / 減圧蒸留 / 白色腐朽菌 / 菌糸塊 / 育苗ポット / 生物学的脱窒 |
Research Abstract |
15年度の計画は、1)家畜飼料製造後の廃液と焼酎蒸留粕を減圧蒸留し,その廃液が生物学的脱窒の有機炭素源として利用できるか否可を検討する。2)14年度計画の菌糸塊に混合試料を加えた飼料化実験が十分でなかったため,今年度再度実験を行う。3)飼料化農業資材化および廃液の有効利用から、焼酎蒸留粕の地域内再資源化システムを検討する。4)焼酎粕で作製したポットを用いた植物の育苗実験を研究分担者が行うこととなっている。平成15年度の研究計画に従い実験を行い以下の結果が得られた。 計画1)では、減圧蒸留液中のアルコール類はメタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、i-アミルアルコール、βフェネチルアルコールの成分であり、甘藷粕中のアルコールはすべての温度、圧力条件において蒸留開始直後に多く回収され、濃度は約20000mg/Lである。なお、エタノールを回収する最適条件は、蒸留温度:80℃、圧力:27kPa、蒸留時間:5分であった。主成分がエタノールであることから、減圧蒸留液は生物学的脱窒の有機炭素源として利用できることが判明した。 計画2)では、圧搾ろ液による白色腐朽菌の培養を行い、菌糸塊に増殖した白色腐朽菌の成分分析を行った結果、菌糸塊100g中に粗蛋白質が43.5%含まれており、飼料の原料として有用であることが判明した。この菌糸塊と焼酎粕の圧搾残渣物を利用した作成飼料成分は、粗蛋白質、粗脂肪か市販の配合飼料に比べて2倍以上含まれており、飼料成分としては十分であることがわかった。 計画3)では、圧搾残渣物の農業資材への適用(育苗ポット、飼料作成)と圧搾ろ液の有効利用として、減圧蒸留液の生物学的脱窒への利用、白色腐朽菌による菌糸塊の飼料化の利用などを考慮すると、焼酎蒸留粕の地域内再資源化システムの構築が可能である。 計画4)では、焼酎蒸留粕で作製された育苗ポットを用いたキュウリの生育試験を行った結果、蘇生ポット(焼酎粕+稲わら)、ポリポットの収穫量は1株当たりそれぞれ27.3、25.5本であり、蘇生ポットの収穫量多かった。このことから、焼酎蒸留粕で作製された育苗ポットは農業用資材として有効であることが分かった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 増田純雄, 山内正仁, 安井賢太郎他: "焼酎蒸留粕の有効利用に関する基礎的研究"環境工学研究論文集. Vol.40. 381-387 (2003)
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[Publications] 山内正仁, 増田純雄, 木原正人他: "焼酎蒸留粕で作製した資源循環型ポットの土壌特性"環境工学研究論文集. Vol.40. 639-646 (2003)
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[Publications] 増田純雄, 淵上勲, 山内正仁他: "焼酎蒸留粕の地域資源循環システムに関する研究"土木学会論文集. Vol.741/VII. 103-110 (2003)
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[Publications] 増田純雄, 山内正仁他: "焼酎蒸留粕の圧搾濾過における圧力の影響"宮崎大学工学部紀要報告. 第32号. 217-222 (2003)