2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650655
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡辺 俊行 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (60038106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 明仁 北九州市立大学, 国際環境工学部, 助教授 (90221853)
龍 有二 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (20191695)
林 徹夫 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (40150502)
赤司 泰義 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 助教授 (60243896)
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Keywords | 煉瓦造住宅 / 空気循環 / 太陽熱利用 / 地中熱利用 / 数値シミュレーション / 実測調査 / 空気質 / 壁体内部結露 |
Research Abstract |
本年度は、環境共生システム住宅として、煉瓦の熱容量と太陽熱および地中熱を活かした空気循環式パッシブ煉瓦造住宅の提案とその定量的な事前評価および予備実測調査を実施した。 1.空気循環式パッシブ煉瓦造住宅の建設と事前予測(渡邊、林) (1)冬季に太陽熱を利用するための集熱パネルやトロンブ壁、夏季に地中冷熱を利用するためのクールチューブを備えた煉瓦造住宅を建設し、数値シミュレーションにより事前評価を行った。その結果、在来木造住宅と比較して、冬季に約13%、夏季に約19%の負荷削減が可能であることが明らかとなった。 2.温熱環境測定システムの設置と夏季および冬季の実測(渡邊、龍、赤司) (1)実験棟の夏季と冬季の室内熱環境実測調査を行い、システムの有効性を検討した。その結果、終日暖冷房時と比較して、システムを併用した場合の暖冷房に関わる電力消費量を冬季約35%、夏季約37%削減することできた。 (2)実験棟の夏季および冬季の空気質を調査した。測定項目はアルデヒド類の気中濃度および床材からの放散速度,トルエン濃度(簡易測定),VOCs濃度等である。今回は2階床表面からのホルムアルデヒド放散速度が一般住宅の3倍程度あり,夏季の気中濃度も指針値の1〜1.5倍であった。このように床材の影響が大きく,今後、空気循環が空気質に与える影響についても明らかにする必要がある。 3.壁体内部結露の検討(尾崎) (1)熱力学ポテンシャルを水分流の駆動力とする熱・水分複合移動モデルを使用して,数値シミュレーションにより空気循環式パッシブ煉瓦造住宅の外壁の温湿度特性について解析した。また、水分が有する熱力学ポテンシャルに内力・外力の影響を加味することにより,空気および躯体の温度変化にともなう水分移動現象を正確に表現するとともに,温度分布に起因した冷暖房時の湿害の危険性について検討中である。
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Research Products
(20 results)
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[Publications] 永田 麻由子: "空気循環式パッシブ煉瓦造住宅に関する研究 (その4)パッシブシステム性能の実測調査"日本建築学会九州支部研究報告. 第40号・2. 449-452 (2001)
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[Publications] 中村美紀子: "空気循環式パッシブ煉瓦造住宅に関する研究 (その5)空気循環式パッシブ煉瓦造住宅実験棟の基本計画"日本建築学会九州支部研究報告. 第40号・2. 453-456 (2001)
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[Publications] 高瀬 秀芳: "空気循環式パッシブ煉瓦造住宅に関する研究 (その6)空気循環式パッシブシステムの冬季性能予測"日本建築学会九州支部研究報告. 第40号・2. 457-460 (2001)
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[Publications] Akihito Ozaki: "Systematic Analysis on Combined Heat and Water Transfer through Porous Materials Based on Thermodynamic Energy"Energy and Buildings. Vol.33/4. 341-350 (2001)
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[Publications] Akihito Ozaki: "Simulation Software of the Thermal Environment of Residential Buildings designed by Detailed Physical Models"Proc. of the Canadian Conference on Building Energy Simulation. 66-73 (2001)
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[Publications] Shouho Takase: "Measurement and Simulation of the Thermal Environment of a Low Energy House with Air-Circulation in Brick Walls"Proc. of the Canadian Conference on Building Energy Simulation. 212-219 (2001)
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[Publications] Toshiyuki Watanabe: "The State of Building Energy Simulation in Japan"Conference Program of the Canadian Conference on Building Energy Simulation, International Perspective Panel (Keynote presentation). (2001)
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[Publications] 大里 雅子: "空気循環式パッシブ煉瓦造住宅の開発研究 その5 パッシブシステムを採用した実験室における夏季実測調査"日本建築学会大会学術講演梗概集 2001年度大会(関東). 環境工学II. 505-506 (2001)
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[Publications] 永田 麻由子: "空気循環式パッシブ煉瓦造住宅の開発研究 その6 パッシブシステムを採用した実験室における夏季実測調査"日本建築学会大会学術講演梗概集 2001年度大会(関東). 環境工学II. 507-508 (2001)
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[Publications] 高瀬 秀芳: "空気循環式パッシブ煉瓦造住宅に関する研究"日本建築学会大会学術講演梗概集 2001年度大会(関東). 環境工学II. 577-580 (2001)
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[Publications] Mikiko Nakamura: "Construction of a Low Energy House with Air-Circulation in Brick Walls"Proceedings of the 3^<rd> Cross Straits Symposium on Materials, Energy and Environmental Engineering. 185-186 (2001)
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[Publications] Shouho Takase: "Thermal Performance of a Low Energy House with Air-Circulation in Brick Walls"Proceedings of the 3^<rd> Cross Straits Symposium on Materials, Energy and Environmental Engineering. 231-232 (2001)
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[Publications] 渡邊 俊行: "建築の環境共生デザイン"九州大学大学院工学研究院環境システム科学研究センター第3回公開講座資料集「地球環境とエネルギー(環境の世紀へ)」IES Reports. No.30. 105-126 (2001)
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[Publications] 渡邊 俊行: "建築のエネルギー・シミュレーション"住宅環境・エネルギー研究会機関誌誌 Reetec-21. Vol.10. 4-13 (2001)
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[Publications] 尾崎 明仁: "自然エネルギーを利用した先進煉瓦造住宅に関する研究"2001年度九州・ドイツ環境技術・新エネルギー交流フォーラムエコロジー建築部会各論2. (2001)
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[Publications] 永田 修三: "空気循環式パッシブ煉瓦造住宅に関する研究 その7 実験棟の建築と予備調査"日本建築学会研究報告 九州支部 環境系. 第41号・2. (2002)
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[Publications] 永田 麻由子: "空気循環式パッシブ煉瓦造住宅に関する研究 その8 実験棟を対象とした数値シミュレーション"日本建築学会研究報告 九州支部 環境系. 第41号・2. (2002)
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[Publications] Takayuki Hosokawa: "Practical Calculation Method for Moisture Movement on Multi-Room Surfaces"Proceedings of the 3^<rd> Cross Straits Symposium on Materials, Energy and Environmental Engineering. 213-214 (2001)
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[Publications] Kazuya Shinohara: "Effect of Wall Structures on Air-Conditioning Loads of Detached Houses in Southern Part of Japan"Proceedings of the 3^<rd> Cross Straits Symposium on Materials, Energy and Environmental Engineering. 241-242 (2001)
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[Publications] 野村 幸司: "戸建て住宅の温熱環境シミュレーションにおける入力インターフェースと計算前処理"九州大学大学院総合理工学報告. 第23巻3号. 295-301 (2001)