2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650691
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Research Institution | National Universities Corporation TUSKUBA COLLEGE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
平根 孝光 国立大学法人筑波技術短期大学, 建築工学科, 教授 (90218793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩田 秋雄 国立大学法人筑波技術短期大学, 建築工学科, 教授 (40111702)
岡本 明 国立大学法人筑波技術短期大学, 障害者高等教育センター(障害者支援研究部門), 教授 (10341752)
長岡 英司 国立大学法人筑波技術短期大学, 障害者高等教育センター(障害者支援研究部門), 教授 (30227996)
香田 泰子 国立大学法人筑波技術短期大学, 障害者高等教育センター(障害者支援研究部門), 助教授 (50234696)
櫻庭 晶子 国立大学法人筑波技術短期大学, 建築工学科, 助教授 (10215692)
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Keywords | 視覚障害者 / 空間認知 / 先天性全盲 / 後期全盲 / 視覚経験 / 歩行調査 / 点字ブロックルート / 建物位置把握 |
Research Abstract |
本研究は、晴眼者の視覚情報優位の環境・空間認知に対し、視覚情報を看取でき難い視覚障害者の環境・空間認知について、具体的な環境条件下における視覚障害者の行動と環境・空間との対応関係に関する基礎的知見を得ることを目的としたものであり、昨年度に引き続き筑波技術短期大学視覚障害関係学科の全盲の学生を対象に、歩行調査およびヒヤリングを行うとともに、これまでの調査結果をもとに分析及び比較考察を行なった。本分析で得た知見としては、つぎのようなものである。 先天性全盲者は、点字ブロックルートの把握では、いわば必要となるルートは時間が掛かっても確実に把握するが、必要でないルートには関心を示さず、点字ブロック配置の把握でも、まず基軸となるルートを確実なものにし、そこから新たなルートを徐々にではあるが確実に付け加えていく傾向がみられた。また、建物の位置把握については、幾つ目の交点ブロックを曲がった先にあるというように点字ブロックのルートで建物入口を把握しているようであり、あるポイントに立って建物の方向を指し示すことはできない。一方、視覚経験のある後期全盲者は、把握するまでに多少時間を要するが、通常必要のない建物及び点字ブロック配置の全体像を当初から意識しながら把握するといった傾向がみられた。また、あるポイントに立っての建物位置を指し示すことも比較的早い時期にできるものの、それを把握するまでに要する時間では、失明年齢および視覚経験年数の関連もうかがわせた。 このように、先天性全盲者と後期全盲者とでは空間把握の仕方が大きく異なるものがみられ、またそれほど大きな違いではないにしても後期全盲者でも失明年齢、視覚経験年数で空間把握の仕方が異なる傾向をとらえることができた。
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