2001 Fiscal Year Annual Research Report
近世上方における大名屋敷(藩邸・蔵屋敷)の建築史的・都市史的研究
Project/Area Number |
13650700
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
谷 直樹 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 教授 (40159025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 節子 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 講師 (20295710)
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Keywords | 近世 / 上方 / 大名屋敷 / 藩邸 / 蔵屋敷 |
Research Abstract |
江戸時代における大名屋敷(藩邸・蔵屋敷)は本国の屋敷のほかに、参勤在府する諸大名のために幕府が与えた江戸屋敷(上屋敷・中屋敷・下屋敷)と、各藩が参勤交代による定期的な移動や、江戸での生活の財源を確保するために、大坂や京都、伏見、敦賀、大津などの都市や交易地に屋敷を設けたものがある。本研究は、上方に立地した藩邸で、参勤交代時の宿泊や、米穀や特産物(蔵物)の販売活動を行ったものをとりあげ、まず屋敷構成を比較検討してその建築的特質を明らかにし、また都市史の視点から都市機能と屋敷の性格との関係を考察し、新たな知見を提供することを目的にしている。 本年度の研究計画は、上方藩邸の建築指図調査と写真撮影によるデータ収集を実施した。とくに中井家文書の中から、所司代屋敷関係の指図を取り出して分析を行った。また、各地の図書館、歴史資料館、博物館等に資料照会を行い、資料所在調査を行った。その結果、山口県公文書館に毛利家関係の藩邸指図と関連文書が相当数残っていることが判明したので、資料の検索と写真撮影を行った。ほかに鳥取藩大坂屋敷、弘前藩京屋敷、岡山藩大坂屋敷等の資料収集を行った。 これらの資料を元にして、(1)上方藩邸の諸類型(建築構成、西国大名と東国大名の藩邸の違い、大藩・中藩・小藩、蔵物<米、鉄、紙、材木、陶磁器>の違い等を指標に類型化)に関する検討、(2)上方藩邸の居住空間(御殿の空間構成と居住機能)に関する検討、(3)役宅の空間構成と階層性に関する検討等を行い、一定の知見を得た。来年度は、さらに関連資料の収集に努め、上方藩邸から見た近世都市文化論を展開したい。
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