2001 Fiscal Year Annual Research Report
木材粉末の圧粉特性と複雑形状部品のニヤネットシェイプ成形に関する研究
Project/Area Number |
13650777
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
高倉 章雄 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (40163183)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 高志 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (60335312)
山口 克彦 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (90027805)
|
Keywords | 材料 / 木材 / 粉末成形 / 高温圧縮 / 鍛造 / 新素材 |
Research Abstract |
木材を粉末状(チップ)に粉砕し,これを圧縮成形して固形化する技術が開発されれば,任意形状の高強度の木質製品の製造が可能になる.また,木材を粉末状に粉砕して使用するため,間伐材,再枝打ち材,木材として利用価値のない曲がった樹木なども材料として使用でき,森林の有効利用と同時に生産性の向上が期待できる.本研究では,他の物質(廃棄の際に問題となる石油系の接着剤など)を使用せずに,本材粉末のみを固形化する技術の開発を行うために,木材粉末の圧縮特性の把握と複雑形状部品のニヤネットシェイプ成形の可能性を検討する. 本年度は,木材粉末の圧縮特性と得られた成形品の機械的特性について検討した. 1.木材粉末の作製:木材を小片のチップ状態に切断し,これらの木片を微粉末にするために,十分に乾燥させた後,振動ボールミルを用いて粉砕した.そして,異なった大きさの粉末を作製する加工条件(ボール径,加工時間)を明らかにした.また,木材粉末の電子顕微鏡観察を行い,細胞組織の状態および構成要素の状態を調べた. 2.木材粉末の圧縮特性の把握および最適固化条件の検討:上記の方法で作製した木材粉末を円筒金型に充填して圧縮成形を行い,木材粉末を良好に固形化できる最適な条件(粉末の大きさ,含水率,圧縮荷重,成形温度)を明らかにした. 3.成形品の機械的特性の検討:得られた成形品の硬さ試験,密度測定,曲げ試験を行い,機械的性質に及ぼす加工条件の影響を明らかにした. 4.成形品における木材粉末同士の接合状態の微視的観察:成形品を半割りにして,その内部を電子顕微鏡で観察した.そして,木材粉末同士の接合状態を調べ,木材粉末の接合状態と機械的性質との関係を明らかにした.
|