2001 Fiscal Year Annual Research Report
温度場・濃度場同時計測システムの開発と融液晶析に及ぼす二重拡散対流の影響
Project/Area Number |
13650808
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
吉田 正道 富山大学, 工学部, 助教授 (70230761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 岳志 富山大学, 工学部, 助手 (60272895)
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Keywords | 融液晶析 / 可視化計測 / 画像処理 / レーザー誘起蛍光法 / レーザーホログラフィー法 / 二重拡散対流 |
Research Abstract |
融液晶析プロセスにおいて融液内に生じる二重拡散対流では温度場と濃度場が共存し複雑に影響しあうため、系内全域で両者を詳細に測定する必要がある。その一手法として「温度場・濃度場同時計測システム」の開発を試み、以下の知見を得た。 1.光源にArレーザー、蛍光物質にローダミンBを用いたレーザー誘起蛍光法(LIF)による液相内の温度場定量化法について検討した。レーザー出力とローダミンB濃度を固定した場合、液相の蛍光をピデオ撮影した画像から抽出したR輝度は温度のみに依存し、溶液濃度の影響を受けない。また、R輝度は温度と線形関係にある。この知見に基づき、ビデオ撮影した蛍光画像から二次元温度分布を算出する定量化アルゴリズムを開発した。系内に20℃〜40℃の範囲で温度分布がある場合、得られた温度の最大誤差は+3℃であった。 2.すでにHe-Neレーザーを用いたホログラフィー法による可視化手法は開発していたが、これに画像処理と二次元データ処理の技法を追加し、二次元屈折率分布を算出するアルゴリズムを開発した。その結果、屈折率場の定量的把握が可能となった。 3.水溶液の屈折率は温度と濃度によって定まる。したがってレーザーホログラフィーによって得られる屈折率場とLIFから得られる温度場のデータを重ねて処理すれば濃度場の算出が可能となるはずである。この考えに基づき二次元濃度分布の算出アルゴリズムを開発した。この手法を用いて平均濃度3.8wt%炭酸ナトリウム水溶液の二重拡散対流における濃度分布を算出したところ、±5%の精度で濃度場の算出が可能となった。 4.ホログラフィー法とLIF法を組み合わせることにより、液相内の濃度場を定量的に捉えることが技術的に可能であることが明らかとなった。濃度の測定誤差は主としてLIFにおける温度の測定誤差に起因しているため、今後は、LIFによる温度計測の精度向上についてより詳細に検討してゆく必要がある。
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Research Products
(1 results)