2001 Fiscal Year Annual Research Report
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13650846
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
瀬川 幸一 上智大学, 理工学部, 教授 (60053675)
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Keywords | 固体酸触媒 / ピロリジン / テトラヒドロフラン / 1,4-ブタンジオール / ブレンステッド酸 / ルイス酸 / 酸強度 / ゼオライト触媒 |
Research Abstract |
ピロリジン(PRL)は有用な化学物質であるが、既存の汎用合成法は省エネルギーの観点からも好ましくないプロセスである。そこで固体酸触媒を用いた1,4-ブタンジオール(BDL)からPRL合成プロセスの確立を目指した。まず先立ってI.BDLの脱水縮合によるテトラヒドロフラン(THF)の合成II. THFとNH_3によるPRL合成にわけ、I及びIIをそれぞれ詳細に検討した。Iは反応温度423Kで行った場合、どの触媒においても選択率100%を示し、ゼオライト触媒の中ではH-BEA、H-MFIが特に優れた活性を示した。触媒の酸強度を調べたところ、低活性を示したゼオライトに比べ高活性を示した触媒は酸強度が弱いことが解った。しかし、高活性を示した触媒と同程度の酸強度を有するシリカアルミナは活性を示すものの、ルイス酸点(L酸点)のみを保持するγ-Al_2O_3は低活性に留まり、更に酸強度が弱いSO_4^<2->/Al_2O_3、SO_4^<2->/ZrO_2はより低い活性を示した。これより反応には中程度の酸強度を有するH-BEA、H-MFIが特に有効であり、B酸点の存在する触媒でより進行し易いことがわかった。次に反応温度648KでIIの合成反応を行なった。SO_4^<2->/Al_2O_3、SO_4^<2->/ZrO_2が高活性を示し、中でもγ-Al_2O_3が最も高いPRL収率を示した。シリカアルミナでも比較的高活性を示したが、ゼオライト触媒ではH-FAUがある程度活性を示すものの低活性に留った。そこで触媒の酸強度を検討したところ、高活性を示したのは比較的弱い酸強度を示し、L酸点のみを有するγ-Al_2O_3であり、強酸点では活性種が強く捕捉されてしまい反応が進行しにくいことが解った。この結果から、IではB酸点を有するH-BEA、H-MFIが高活性を示す一方、IIはIに比べ高温条件を必要とし、比較的酸強度は弱くL酸点のみを有するγ-Al_2O_3が最も高活性を示した。今後I及びIIの一段階合成を検討する。
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Research Products
(1 results)