2002 Fiscal Year Annual Research Report
アルミニウムによるリン酸難溶化を利用した有菌下での植物へのショ糖多量連続供与
Project/Area Number |
13660028
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
水田 洋一 京都大学, 農学研究科, 助手 (90239236)
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Keywords | 水酸化アルミニウム / リン酸 / ショ糖 / 根 / 葉 / 組織培養 / pH / 鉢花 |
Research Abstract |
園芸、作物の根からショ糖を供給し、生育させる、もしくは維持することができれば、経済的にきわめて意義深いと思われる。特に屋内観賞用鉢物においては、現在徒長や落花はDIF・矮化剤・エチレン抑制剤などで比較的簡単に抑えることができるが、植物のエネルギー不足による葉の黄化・落葉や、開花数減少・花色低下は防ぐ方法は無い。地上部の鑑賞性を損なわないように根部から、ショ糖を供給し、葉の黄化・落葉や、開花数減少・花色低下を防ぐことができれば屋内観賞用鉢物に使用できる作物種・鑑賞期間等の制限を緩和できると思われる。また、作物にショ糖など有機物を供給して光合成産物を補給し、果実や花卉の品質・収量を改善することができれば、生産物の差別化にもつながり、経済的にきわめて有意義であろう。 申請者は有菌下のふつうの屋内で水酸化アルミニウムにより、リン酸を難溶化し必須元素の制限により微生物の繁殖を抑制し、リン酸を植物に別途供給することにより、コリウス・ダイコンにおいて、3か月以上のショ糖の根からの連続供給により、低光量条件下での葉の黄化・落葉や、開花数減少・花色低下を防ぎ、大幅に鑑賞期間を延長することに成功した。また,この方法を一義に適用した結果、株当たり収量が倍程度に増加した.しかし,予備実験段階なので,さらに実験を繰り返し,現象を確かにする必要がある.また,栽培装置を実際の栽培法に準じた大きさにすると,システムの継続性が不安定になるため,さらなる改良が必要である.植物の生育促進には,葉からショ糖を与えた方がより効果的であること,葉から与える場合は,上面がオープンになるため,昆虫の落下などで,燐のコンタミネーションが多くなりやすいためか,ショ糖溶液が腐敗しやすかった.そのため,リン酸濃度をより下げる,つまり,液を酸性にしてアルミニウムイオンの溶解度を上昇させる必要があることがわかった.このような溶液は根から供給されると植物は枯死するが,葉から供給した場合,13年度の実験では1か月程度と身近かたため,見かけ上アルミニウム害が起きなかったが,14年度の実験で2か月程度継続すると,アルミニウム害と思われる症状が視られたので,より低濃度のアルミニウムで菌の繁殖を防げるような方法を見いだす必要がある.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Y.Mizuta, M.Yamada, S.Takatuki, K.Yamamoto, S.Yazawa: "LONG-TERM SUCROSE SUPPLYING FOR POTTED COLEUS AND RADISH THROUGH PHOSPHATE REFRACTRINESS WITH ALUMINUM HYDROXIDE UNDER NON-STERILE CONDITION"XXVth International Hortigulture Congress & Exhibition(IHC2002) On Site Program. 486 (2002)