2001 Fiscal Year Annual Research Report
白色腐朽菌によるポリエチレンとナイロンの生分解に関与する酵素およびその生分解機構
Project/Area Number |
13660161
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
西田 友昭 静岡大学, 農学部, 教授 (10252165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 浩文 静岡大学, 農学部, 助手 (70322138)
堤 祐司 静岡大学, 農学部, 助教授 (30236921)
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Keywords | 白色腐朽菌 / 合成高分子 / ポリエチレン生分解 / ナイロン生分解 / ラッカーゼ / 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール |
Research Abstract |
カワラタケ(白色腐朽菌)を用い、窒素源を含有しない培地でポリエチレン膜を処理すると、4日間処理で伸びが約30%低下し、カワラタケでもある程度の生分解を受けることが判明した。さらに、処理4日目まではラッカーゼの産生のみしか認められなかったことから、ポリエチレン生分解へのラッカーゼの関与が示唆された。そこで、カワラタケ由来の部分精製ラッカーゼを用いてポリエチレン膜を処理したところ、3日間処理で伸びが約20%低下し、ラッカーゼによるポリエチレン生分解が実証された。 ラッカーゼ単独では非フェノール性のリグニンモデル化合物を分解できないのに対し、1-hydroxybennzotriazole(HBT)のようなメディエーターを共存させると同化合物を分解しうることが明らかになっている。そこで次に、HBTを共存させてポリエチレンおよびナイロン膜のラッカーゼ処理を行った。その結果、ポリエチレン膜については3日間の処理で伸びが認められなくなり、引っ張り強度も約60%低下した。また、重量平均分子量も242,000から28,300に低下し、HBTを共存させることでポリエチレンは効率的に生分解された。一方、ナイロン膜についてもHBT共存下では高度な生分解が生じ、処理2日目以降は形状が崩壊して伸びと引っ張り強度の測定が不可能となった。そこで、分子量を測定したところ、重量平均分子量は79,300から17,200に、数平均分子量は17,300から6,600に低下していることが判明した。
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