2002 Fiscal Year Annual Research Report
フーリエ変換画像処理の確立とその熱帯樹木の三次元的特性解析への展開
Project/Area Number |
13660164
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
藤田 稔 京都大学, 農学研究科, 教授 (60026599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 功二 京都大学, 農学研究科, 助手 (00293910)
吉永 新 京都大学, 農学研究科, 助手 (60273489)
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Keywords | フーリエ変換 / 画像処理 / 熱帯材 / 3次元解析 / ステレオロギー / パワースペクトル / 木材 / バイオマス |
Research Abstract |
生物由来の生産物(バイオマス)は形態が暖昧であり、高度化利用の妨げとなる。そこでフーリエ変換画像処理法を新たに開発し、木材細胞構造の形態解析に応用した。具体的には(1)フーリエ変換法の数学的背景の整備とコンピュータ演算法の弱点の克服、(2)新規画像サンプリング法の開発、(3)2次元的解析から3次元解析への発展、の3点を実施した。 (1)については現在のコンピュータの基本的能力不足に起因するエラー(2次元フーリエ変換で出力されるパワースペクトルパターンが輝度と周波数に制約される)を新規プログラムの作成で克服し、またデカルト座標を用いることに伴う方位情報のエラーについて回転画像サンプリングの開発で軽減し、またその簡便法としての補正手法を開発した。(2)については、光顕に頼らずにフィルムスキャナで直接画像サンプリングする手法を開発し、多量の画像情報を迅速かつ広面積で採取することでサンプリングの偏りを防止できる効果が期待できた。また鋸断薄片の軟X線撮影法と組み合わせることで実用性の高いシステムが開発できた。しかし現時点ではスキャナの解像力の点で少し不満が残るが、これら機器の急速な進歩から間もなく解決されると期待される。(3)についてはステレオロジーの観点からアプローチして、道管や木部繊維の3次元形態定量解析をほぼ可能とした。これは木材の組織が集団を組み、個々の細胞形態が集団の様式に規制されるとの着想から、形態の要因を単純化することで、一枚の横断面切片像から3次元形態を統計的に再構築するもので、今後の検証により実用化できる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 藤田 稔, 緑川葉子, 石田洋二: "木材細胞形態の定量的画像処理のための環境設定(第1報) 積算画像処理における各種誤差の検定"木材学会誌. 48・5. 332-340 (2002)
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[Publications] 尾形善之, 角川朋樹, 藤田 稔: "木材細胞形態の定量的画像処理のための環境設定(第1報) フィルムスキャナによる超広領域画像の非顕微鏡的サンプリングの試み"木材学会誌. 48・5. 341-347 (2002)