2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13660175
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
足立 伸次 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (40231930)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 孝博 水産総合研究センター, 北海道区水産研究所, 室長
原 彰彦 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (40091483)
|
Keywords | ビテロゲニン / マハゼ / 発現制御 / リポビテリン / ホスビチン / β'-コンポーネント / エストラジール-17β / 魚類 |
Research Abstract |
本年度は、2種のビテロゲニン(Vg-530、Vg-320)の存在が明らかにされているマハゼについて、生体外培養系および微量検出系を確立し、それらの発現制御機構を調べ、以下の成果を得た。 1 培養系の確立 最初に、マハゼ肝臓を用いて細胞培養系の確立を試みた。しかし、マハゼの肝臓は油滴を多量に含むことが多く、コラーゲナーゼ処理後の分離した細胞が浮遊し、遠心による回収が困難であった。そこで次に、肝臓のスライス培養を試みた。その結果、L-15培養液にウシ胎児血清(FBS)5%を添加した培養液で良好な結果が得られた。 2 cDNAクローニング Vg-530およびVg-320のcDNAクローニングに成功した。Vg-530はこれまで報告されてきた他魚種のビテロゲニンと同様、リポビテリン1、ホスビチン、リポビテリン2およびβ'-コンポーネント領域を含んでいた。しかし、Vg-320はホスビチン以下の領域が存在しない特異なビテロゲニンであることが判明した。 3 検出系の確立 マハゼの2種のビテロゲニンの特異抗体はすでに作製できていたので、それら抗体を用いて酵素免疫測定法(ELISA)による微量タンパク定量系を確立した。 4 発現制御機構の解析 1で確立した器官培養系および3で確立したELISAを用いて、マハゼ雌の成熟に伴う肝臓のVg産生能(同じ濃度のエストラジールー17β添加でのVg産生量)を比較した。その結果、卵巣の発達に伴い産生されるVg量は増加し、卵黄形成中期ではどちらのVgも産生量は著しく増加した。両者の産生量はVg-320に比べVg-530の方が多かった。
|
Research Products
(1 results)