2003 Fiscal Year Annual Research Report
大豆,小麦の安定的生産・流通システムの構築に関する研究
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13660211
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
伊藤 繁 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00003145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
耕野 拓一 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (20281876)
澤田 学 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (60142791)
金山 紀久 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00214445)
草苅 仁 神戸大学, 農学部, 助教授 (40312863)
茅野 甚治郎 宇都宮大学, 農学部, 教授 (40163729)
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Keywords | 大豆 / 小麦 / 需給ミスマッチ / リスク・シェアリング / 入札制度 |
Research Abstract |
大豆の入札制度が改善され落札価格が公表されるようになった.その後,大豆生産の回復や豊作のため,大豆の価格は低下傾向にあった.しかし,2003年産から一転して,市況は厳しくなり,入札取引の減少,最近の落札価格の高騰をもたらしている.入札価格の公表によって,入札取引以の取引においても価格探索情報を節約できるようになる(この点は小麦も同様である).しかしこのことは,相対取引がしやすくなることを意味する.これを調整するためには,入札数量を引き出し適切な入札価格が形成される方策が必要である.また,入札制度を補完するものとして契約栽培があるが、これは入札制度の適切な運用とあいまって,大豆流通のリスク・シェアリングを可能にするであろう.というのは,契約栽培の均衡価格は売り手,買い手双方にとってリスク・シェアリングの機能を持つことは理論的にも証明できるからである.この点は海外と契約栽培を行うNon-GMO大豆とその先物市場との関係にも妥当する.先物市場を利用するケースが少なければ,そこで形成される価格は国産大豆の入札価格と同じことになるからである.今のところ,Non-GMO大豆の価格はGMO大豆価格と一定の価格差を維持している. 国産のめん用小麦の品質評価は輸入ものと比べてよくないが、現在低アミラーゼをチェックして栽培技術に反映させる方法が検討されている.パン用小麦品種の開発は,国産小麦の需給のミスマッチを解消するもう1つの方策である.入札制度においてパン用小麦品種の価格が上昇している状況下では、こうしたニーズヘの対応である.春まき小麦の栽培は収量性の観点から間題を抱えているが,ハルユタカの初冬まき栽培の取り組みは注目すべき事例である.農業生産者と加工業者の良好な相互作用によるより望ましい需給関係の生成は,原料供給の柔軟性が低いことによるフードシステムの脆弱性が問題となり易いわが国のフードシステムでは,重要な発展のファクターとなっているからである.
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Research Products
(1 results)