2002 Fiscal Year Annual Research Report
疎水化粘土による環境ホルモンの吸着機構の解明とそれに基づく移行拡散止技術の開発
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13660244
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
石田 智之 香川大学, 農学部, 教授 (40184535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川瀬 雅也 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (90224782)
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Keywords | 粘土-有機複合体 / 吸着等温線 / 界面活性剤 |
Research Abstract |
吸着等温線の作成:粘土と所定の濃度に調整した界面活性剤を透析膜に封入し、それを試験管に装着し、さらに試験管に同様な溶液を入れて、恒温水槽内で二日間振とう撹拌した。外液の吸光度を測定し、外液中の界面活性剤の濃度を検量線より決定し、吸着量を求めた。なお、吸着実験は35℃で行った。実験に供した粘土鉱物は5種類(Naモンモリロナイト2種類,Naヘクトライト,Naバーミキュライト,Naカオリナイト)、界面活性剤は、アルキル基の数が異なる6種類のPyridinium bromideを用いた。 実験結果:粘土鉱物の種類あるいは界面活性剤の種類に係わらず、吸着等温線は界面活性剤の濃度がある一定以上になると、吸着量が飽和するLangmuir型であった。Hexadecylpyridinium bromideを吸着させたときの吸着量の粘土間相違については、つぎのような結果が得られた。荷電量が大きいモンモリロナイトの飽和吸着量は449mM/100gを示し、荷電量が小さいモンモリロナイトの飽和吸着量はその86%、バーミキュライトの場合は56%、ヘクトライトの場合は54%、カオリナイトの場合は8%の吸着量であった。Pyridinehydro bromideの吸着等温線についても、上述の結果と同様な傾向が認められた。この事から、特にモンモリロナイト、ヘクトライトのようなスメクタイト鉱物やバーミキュライトは、汚染物質除去のための吸着媒として有効であると考えられる。荷電量が小さいモンモリロナイトを用いて、異なる数のメチレンを有するアルキル基の影響について検討した。Hexadecylpyridinium bromideの飽和吸着量384mM/100gであり、Tetradecylpyridinium bromideは96%、Dodecylpyridinium bromideは55%、Buthylpyridinium bromideは26%、Ethylpyridinium bromideは25%、Pyridinehydro bromideは22%の吸着量であった。この事から、メチレンの数が多いアルキル基を持ったPyridinium bromideほど、粘土に多く吸着されることが認められた。
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Research Products
(1 results)