• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2003 Fiscal Year Annual Research Report

カラスの生体機構に関する研究-中枢神経、視覚、鳴き声、記憶・学習を中心として-

Research Project

Project/Area Number 13660281
Research InstitutionUtsunomiya University

Principal Investigator

杉田 昭栄  宇都宮大学, 農学部, 教授 (50154472)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 青山 真人  宇都宮大学, 農学部, 助手 (90282384)
阿山 みよし  宇都宮大学, 工学部, 教授 (30251078)
菅原 邦生  宇都宮大学, 農学部, 教授 (50091947)
Keywords声紋分析 / 求愛コール / 警戒コ一ル / 第一警戒コール / 餌ねだりコール / カラス
Research Abstract

カラスの声紋分析
求愛コールは雌雄と推測される個体が互いに交わすコールで、2月下旬〜5月中旬までの繁殖期に集音された。求愛コールの特徴として、ある個体が特定の声を発し、それに数羽の他個体が特定の同じ声を、同じタイミングで鳴き返す、パターン1と、ある個体が特定の声を発し、それに数羽の他個体が特定の異なる声を、異なるタイミングで鳴き返す、パターン2の2種類が行動解析より確認された。餌ねだりコールは、ヒトに対し非常に慣れた特殊な環境において観察されるコールである。今回解析を行った餌ねだりコールも、上野公園において集音したものを用いた。また、今回解析を行った餌ねだりコールは、成鳥が発声したものを指す。成鳥の発する餌ねだりコールは、幼鳥が親に対し、餌をねだる際に発するコールと同様の声紋を示す。餌ねだりコールの特徴として、時間的変化に伴い、ひとつの声の長さが長くなることが、行動観察より確認された。時間的変化を、ハシブトガラスがヒトに対しもっている警戒心に置き換えると、餌ねだりコールの発声の長さは、ヒトに対する警戒心の薄れとの関与が推測された。
警戒コールは第一警戒コール、警戒コール、警戒コールの3種類が、行動観察及び音声解析より確認された。また、行動観察より、第一警戒後、ハシブトガラスの警戒心が増加したと推測される状況下において、警戒コール及び警戒コールヘの変化が確認された。第一警戒コールは、ヒトが近づいた際など、ハシブトガラスの警戒心が発生すると推測される状況下において、最初に一回のみ発声を行うコールである。警戒心の増加に伴い、回数が増え、一つの声の長さと、その次の声までの間隔が短くなり、他の個体も同時に警戒コールを発し、群れ全体に警戒を促す。
行動観察から、ハシブトガラスの緊張の度合により、声の長さや、間隔、回数などが変化することから、緊張の度合と声の長さ・間隔・回数は密接な関係がある事が示唆される。特に警戒コールでは、他の個体にとって、長さ・間隔・回数が緊張の度合を示すものさしになっていると推測される。また、ハシブトガラスは、比較的澄んだ声を出し、ほとんどの声紋が、明瞭な縞を示した。また、多くのコールは500〜10000Hz付近の広範囲にわたって発声しており、1000〜2000Hz付近の音圧が高いという特徴がみられた。

  • Research Products

    (4 results)

All Other

All Publications (4 results)

  • [Publications] 杉田 昭栄: "賢くたくましいハシブトガラス"どうぶつと動物園. 55号5巻. 24-29 (2003)

  • [Publications] 杉田 昭栄: "カラス Corvus"細胞工学. 11号21巻. 1330-1331 (2002)

  • [Publications] 杉田 昭栄: "カラスなぜ 遊ぶ"集英社新書(谷山 尚義). 237 (2004)

  • [Publications] 杉田 昭栄: "おもしろ生態学かしこい防ぎ方 カラス"社団法人 農山漁村文化協会. 190 (2004)

URL: 

Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi