2001 Fiscal Year Annual Research Report
好中球の接着調節機構に関与する新規分子GPI-80のトポロジー解析
Project/Area Number |
13670022
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
松原 茂樹 自治医科大学, 医学部, 助教授 (20209597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 克昌 群馬大学, 医学部, 助手 (30326839)
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Keywords | ヒト好中球 / GPI-80 / GPIアンカー型蛋白質 / 細胞内顆粒 / 免疫細胞化学 / 細胞生物学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、最近同定された新規GPI-アンカー型蛋白質であるGPI-80の好中球細胞内局在と、接着分子であるインテグリンの活性化に伴うその動態変化を明らかにすることである。先ず好中球におけるGPI-80分子の分布様式の解析を、凍結超薄切片を用いた免疫細胞化学法を軸に進めた。準超薄切片を用いて非刺激時の好中球におけるGPI-80の局在を観察してみると、光学顕微鏡上、細胞内に顆粒状の分布を認めた。細胞内のどの小器官に局在しているか、特に主要な細胞内顆粒であるアズール顆粒(ライソゾーム)と特殊顆粒との鑑別を行うため、アズール顆粒とGPI-80、特殊顆粒とGPI-80の2重免疫染色を試みた。免疫染色からGPI-80分子は、上記2大顆粒と異なる局在が示された。このことは、最近のGPI-80の生化学的研究結果から予測される分子局在様式と非常によい一致を示しており、第3の新しい細胞内顆粒(または小胞)に存在する可能性が示唆された。ところが、新規顆粒様構造は100nm前後径の小型細胞内小器官であると推測され、500nm厚の準超薄切片を用いた解析では解像力が不十分であり、解析法の再検討を迫られた。この検討過程で、胎盤もモデル材料の一つとして用い、種々の免疫細胞化学法を検討した。検討の結果、100nm以下の凍結超薄切片を用いた免疫細胞化学法とCCDカメラを導入した画像解析による高分解能の形態解析法の開発に成功した。この手法の導入によりGPI-80を含む細胞内小器官の同定・二次元分布様式・他の分予との相互関係を高解像力で明らかにすることが可能となった。現在この手法を用いてGPI-80分子の細胞内局在と動態解析を精力的に進めている段階である。
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Research Products
(1 results)