2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13670031
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
渡辺 淳 関西医科大学, 医学部, 助教授 (40148557)
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Keywords | 転写調節 / 細胞内輸送 / メチルコランスレン / CYP1A1 / CYP2B2 / 肝 / 脳 / ラット |
Research Abstract |
1.DMSOに溶解したメチルコランスレン(MC)を加えて培養したダイオキシン感受性肝細胞由来株化培養細胞(H4-II-E cell)を抗ダイオキシン受容体(AhR)抗体及び抗HSP90抗体と反応させ、ECL試薬を用いた高感度化学発光反応検出系を用いて細胞内動態を観察した。加えて、インタクトなAhRおよび核移行シグナル領域を欠いたAhRを用いてAhRの細胞内動態を調べた。AhRはHSP90と細胞質で解離し、核移行シグナルを欠いたAhRは核に移行せず、また、AhRの細胞内輸送が、HSP90解離後にAhRに新たに結合するタンパク(少なくとも2種)を介することが示された(論文作成中)。 2.昨年度に開発した高感度化学発光反応および高感度定量的酵素組織化学法を用いた組織/細胞レベルにおける機能性タンパクおよびm-RNAの測定法を用いて、今回の研究対象としたAhRを介するMC誘導型タンパクの転写産物であるCYP1A1およびその類縁の分子種CYP2B2について、ラット肝細胞におけるこれらのタンパク(酵素)およびそのmRNAの高感度定量解析をおこなった。また、その結果を、これらのタンパクの局在の場である小胞体の量(電子顕微鏡レベルの形態計測法にて測定)および微細構造の変化(原子間力電子顕微鏡と電子顕微鏡にて観察)と比較した。その結果、CYP2B2について、CYP2B2分子の合成と小胞体膜リン脂質合成酵素の間に密接な関係があり、おそらく同種の転写調節因子によって両者の転写が制御されている可能性が示された。 3.上記の生理的条件下での実験系に加えて、新たに組織酸化実験モデル系を用いて、転写制御とDNA高次構造変化との関係解明に着手した。実験モデルとしてローズベンガル色素を注入後に光酸化したラット脳を用い、まず、光酸化刺激からの回復過程における神経細胞のc-fos遺伝子発現を調べて解析対象とする脳領域を決定した。現在、同領域におけるc-fos発現と、発現時のC-fos遺伝子プロモータ領域の高次構造変化との関係を形態的手法を用いて解析中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Cui et al.: "Targeted tissue oxidation in the cerebral cortex induces local prolonged depolarization and cortical spreading depression in the rat brain"Biochem Biophys Res Commun. 300. 631-636 (2003)
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[Publications] M.Nihira et al.: "Relationship between proliferation of endoplasmic reticulum and induction of CYP2B1/2 in liver lobules of phenobarbitai-treated rats"Acta Histochem Cytochem (Abstract). 35. 239 (2002)