2002 Fiscal Year Annual Research Report
ディフィシル菌の毒素産生制御に関わるビオチン酵素の同定
Project/Area Number |
13670265
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
前側 恒男 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (50283114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
唐澤 忠宏 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (90251917)
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Keywords | ディフィシル菌 / ビオチン化タンパク / FGAM合成酵素 / グルタミン生合成 / 二次元電気泳動 |
Research Abstract |
昨年度までの研究で,ディフィシル菌体内には18種類のビオチン化タンパクが存在することを明らかにした。 そこで,大量のディフィシル菌体破砕液を作製し,イオン交換クロマトグラフィー(MonoQ)で分画後に,各画分に対してSDS-PAGE,ウエスタンブロッティングを行った。その結果,ストレプトアビジンで認識されるタンパクは,0.35M NaCl前後と,0.8M NaCl前後で溶出する画分に含まれていた。また,抗ビオチンモノクローナル抗体で認識されるタンパクは,0.4-0.6M NaClで溶出する画分に含まれていた。続いて,それらビオチン化タンパクの含まれる画分を集めてTFA/アセトンで沈澱,脱塩後,二次元電気泳動,ウエスタンブロッティングを行ったが,今度は予想されたビオチン化タンパクのスポットが全く染色されなかった。これは恐らく,TFAの強酸性下ではビオチン化タンパクからビオチン分子が外れてしまうか,何らかの化学的修飾を受けて,ストレプトアビジンや抗ビオチンモノクローナル抗体で認識されなくなるためと推測し,ビオチン化タンパクの含まれる画分を凍結乾燥後,70%エタノールで沈澱を繰り返し洗浄脱塩する,よりマイルドな抽出法に切替えた。この方法で,ようやく数個のビオチン化タンパクについては,二次元電気泳動後のスポット位置を特定することができた。現在,それらのスポットを切出してN末端アミノ酸配列解析を行っている。英国サンガーセンターで行われているディフィシル菌ゲノム解析プロジェクトは未だに完了していないが,DNAシーケンスの生データがweb上で公開されているので,N末端アミノ酸配列が判明すれば,容易にその遺伝子が特定できるものと期待される。
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