2002 Fiscal Year Annual Research Report
地域在住中高年女性における新規発生脊椎骨折が日常生活動作に与える影響
Project/Area Number |
13670371
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Research Institution | NAGASAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
青柳 潔 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80295071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
草野 洋介 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (70325637)
千住 秀明 長崎大学, 医学部, 教授 (30179361)
進藤 裕幸 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30107677)
岡野 邦彦 長崎大学, 医学部附属病院, 助手 (70325645)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 脊椎椎体骨折 / 腰痛 / 背部痛 / 日常生活動作 / 縦断研究 |
Research Abstract |
地域在住中高年女性を対象に、新規脊椎椎体骨折の発生率を調査し、日常生活動作ならびに背部痛・腰痛との関連について縦断的に検討した。長崎県大島町の42歳以上の女性330名で、2回目の調査を終えた。追跡期間は平均3.3(範囲:2.0-4.4)年だった。 平成10-11年の調査時に脊椎レントゲン写真を撮影された者に対し、再度レントゲン写真撮影を行い、前回のレントゲン写真と比べ、各椎体高が20%以上減じている椎体を骨折ありと定義した。質問紙を用い、現在の日常生活動作について不自由の有無を調べた。また、前回調査以後での背部痛・腰痛の悪化の有無を聞き取った。さらに、背部痛・腰痛の悪化があった者には、医師の受診の有無を聞き取った。 日常生活動作では「腰を曲げ軽いものを持ち上げる」「床から5kgの物を持ち上げる」「頭より高いところにあるものに手を伸ばす」「止まらずに100m歩く」「階段を降りる」で、新規骨折のない者に対し、骨折を発生した者は有意に低下していた。年齢を調整すると「腰を曲げ軽いものを持ち上げる」動作で有意に低下していた。 新規椎体骨折発生者数は120名で、発生率は34.2%、平均10.4%/年だった。新規椎体骨折が少なくとも1個以上発生した者109名中、背部痛・腰痛が悪化した者は、32名(29.4%)であった。新規骨折のなかった者221名中、背部痛・腰痛の悪化した者は、49名(22.2%)であった。その割合には有意差を認めなかった。新規椎体骨折が2個以上発生した者は39名(11.8%)であり、その中で背部痛・腰痛が悪化した者は15名(38.5%)だった。骨折発生数が多くなれば、背部痛・腰痛の悪化傾向が認められた(P=0.05)。背部痛・腰痛の悪化があった者(81名)で、医療機関を受診したのは、骨折群では80%、非骨折群では69%と骨折群でその割合が高かったが、有意差は認められなかった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Yahata Y, et al.: "Appendicular bone mass and knee and hand osteoarthritis in Japanese women : a cross-sectional study"BMC Musculoskelet Disord. 3. 24 (2002)
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[Publications] Jinbayashi H, et al.: "Prevalence of vertebral deformity and its associations with physical impairment among Japanese women : Hizen-Oshima Study"Osteoporosis Int. 13. 723-730 (2002)
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[Publications] Yoshida S, et al.: "Comparison of the prevalence of radiographic osteoarthritis of the knee and hand between Japan and the United States"J Rheumatol. 29. 1454-1458 (2002)
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[Publications] Yahata Y, et al.: "Metacarpal bone mineral density, Body mass index and lifestyle among Japanese postmenopausal women : The Hizen-Oshima Study"Tohoku J Exp Med. 196. 123-129 (2002)
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[Publications] Yoshimi I, et al.: "Stiffness index of the calcaneus measured by quantitative ultrasound and menopause among Japanese women : The Hizen-Oshima Study"Tohoku J Exp Med. 195. 93-99 (2001)
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[Publications] 森田正治 他: "地域の中高年女性における肢不自由の実態に関する研究"日本公衛誌. 48. 889-896 (2001)
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[Publications] 青柳潔(中村利孝編): "骨粗鬆症ナビゲーター"メディカルレビュー社. 267 (2001)