2002 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚創傷治癒過程新生血管における膜型ヘパラン硫酸プロテオグリカン発現に関する研究
Project/Area Number |
13670882
|
Research Institution | THE TAZUKEKOFUKAI |
Principal Investigator |
戸田 憲一 田附興風会医学研究所北野病院, 医学研究所・第1研究部, 部長 (80159045)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡山 実 京都産業大学, 工学部, 教授 (90158816)
|
Keywords | 皮膚創傷治癒 / シンデカン / インテグリン / 表皮細胞 / マウス / 動物モデル |
Research Abstract |
我々は以前作成したマウスSyndecan(Syn)family1〜4細胞外ドメインに対するポリクローナル抗体を用いて、マウス正常皮膚において、Syn1,2,4が表皮全層に発現がみられ、Syn3は発現が認められないこと、一方皮膚創傷治癒過程(CWH)マウスモデルではSyn1の発現が表皮全層で増強し、Syn2はインテグリンα5の発現と相関して基底細胞の真皮側で有意な増強が見られたこと、Syn3の発現認められないこと、さらにSyn4の発現は変化しないことを報告したが、次にそれらの発現をより詳細に検討するために、創傷閉鎖以後20日までの経過を含めて経時的に検討した。免疫組織化学的検討では、閉鎖直後でSyn1の発現の増強が持続したが、閉鎖20日後では発現は正常レベルに戻った。Syn2は閉鎖直後には基底細胞間に発現が増強したが、閉鎖20日では基底細胞を含む表皮下層の細胞間にまで発現の増強が認められた。Syn3は閉鎖直後に初めて基底細胞間に発現を認められるようになり、閉鎖後20日では基底細胞を含む表皮下層の細胞間に発現が明らかに増強していた。Syn4の発現は観察期間の全体において明らかな変化を認めなかった。また半定量的RT-PCR法を用いて、マウス正常皮膚より単離した直後の表皮細胞、培養後増殖中ならびにコンフルエントの状態の細胞でのSynのmRNA発現を比較検討したところ、Syn1は増殖中の細胞で発現の増強を認め、Syn2は増殖中およびコンフルエント状態において発現の増強を認めた。これらの結果はSyn Familyの発現がSyn4を除いてCWHにおいて動的かつ特異的に変化することを示しており、Syn FamilyはCWHの各相において固有の役割を果たす可能性を示唆している。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 白銀康祐, 松吉徳久, 李相廣, 戸田憲一, 宮地良樹: "アスコルビン酸にて誘導した三次元培養真皮モデルにおける皮膚繊維芽細胞遺伝し発現の網羅的検討"皮膚の科学. 1巻3号. 165-171 (2002)
-
[Publications] TeiK., Kawakami kimura N, Taguchi O, Kumamoto K, Higashiyama S.Taniguchi N.Toda K, Kawata R, Hisa Y, Kannagi R: "Roles of cell adhesion molecules in tumor angiogenesis induced by cotransplantation of cancer and endothelial cells to nude rates"Cancer Research. Vol62. 6289-6296 (2002)
-
[Publications] 戸田憲一, 李相廣, 白銀康祐, 松吉徳久, 宮地良樹: "血管内費細胞と肥満細胞の混合培養系に与えるフマル酸エメダスチンの影響"アレルギー・免疫. 9巻8号. 55-58 (2002)
-
[Publications] Yamaoka J, Kabashima K, Kawanishi M, Toda K, Miyachi Y: "Cytoitoxicity of IFN-γ and TNF-α for vasucular endothelial cell is mediated by nitric oxide"Biochem.Biopys.Res.Commun.. Vol291. 780-786 (2000)