2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13670939
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
小川 敏英 鳥取大学, 医学部, 教授 (00125709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松末 英司 鳥取大学, 医学部, 助手 (30325013)
飴谷 資樹 鳥取大学, 医学部・付属病院, 助手 (90332775)
木下 俊文 鳥取大学, 医学部, 講師 (70314599)
奥寺 利男 秋田県立脳血管研究センター, 研究局長
大濱 栄作 鳥取大学, 医学部, 教授 (50018892)
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Keywords | 血管周囲腔 / 海馬溝 / ラクナ梗塞 / MRI |
Research Abstract |
1.剖検脳MRIの撮像と病理組織学的検討,injection studyによるmicroangiogramとの比較検討:injection studyによるmicroangiogramと病理組織との比較検討は,現時点では2例と少数に留まっている。microangiogramによる検討では,海馬体は主に後大脳動脈から,一部は前脈絡叢動脈から栄養されていた。脳実質外走行部分は,前・中・後海馬動脈に分類されるが,今回の検討では胎生期海馬溝の遺残腔の成因は,海馬動脈からの髄質動脈と関連している可能性が示唆された。 2.臨床例での検討:脳ドック受診者155名(年齢39-60歳,男74名,女81名)のMRI所見を検討した。胎生期海馬溝の遺残腔と考えられる血管周囲腔は,側頭葉内側部にT2強調画像,FLAIR画像で脳脊髄液と等信号を呈した,周囲にgliosis等による信号変化のない円形ないし卵円形構造として観察された。この血管周囲腔は155例中69例(45%),に認められ,21例(14%)では左右両側に認められた。大きさは,直径1-2mmを示すものが大部分であったが,中には小数ながち5mmと大きな血管周囲腔も認められた。なお,アルツハイマー型痴呆,脳血管性痴呆患者に関しては,MRI撮像症例が少数に留まり,纏まった結果を出すには至らなかった。 血管周囲腔拡張の機序に関しては様々な報告があるが,加齢との関連が指摘されており,髄質動脈の硬化性変化の進行がその一因と考えられている。来年度,アルツハイマー型痴呆,脳血管性痴呆のMRI撮像症例を蓄積することにより,今回の脳ドック受診者の結果と比較検討する予定である。
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Research Products
(1 results)