2002 Fiscal Year Annual Research Report
精神分裂病二世代ペアに対するDNAメチル化の解析(精神分裂病の表現促進現象と遺伝子発現調整)
Project/Area Number |
13671016
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
今村 明 長崎大学, 大学院・歯薬学総合研究科, 講師 (40325642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中根 允文 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80039833)
林田 雅希 長崎大学, 保健管理センター, 講師 (70264223)
辻田 高宏 長崎大学, 大学院・歯薬学総合研究科, 講師 (40304919)
岡崎 祐士 三重大学, 医学部, 教授 (40010318)
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Keywords | 精神分裂病(統合失調症) / 表現促進現象 / DNAメチル化 / 遺伝子発現調整 / RLGS法 / M-PCR法 |
Research Abstract |
本研究は、restriction landmark genome scanning (RLGS)法とmethylation-specific PCR(M-PCR)法を用いて、二世代精神分裂病(統合失調症)ペアのDNAのメチル化の程度を比較し、精神分裂病でみられる表現促進現象について、原因遺伝子のメチル化の可能性を探ることを目的とする。 研究代表者らは、長崎県内の複数の病院の協力により、現在、精神分裂病2世代家系を既に23家系発見しており、68名の血液採取、DNA抽出を終えている。実施においては長崎大学倫理委員会で承認された方法を用い、十分に研究の趣旨を説明し、文書による同意を得ている。 構成面接The Structured Clinical Interview for DSM-III-R (SCID)を行い、診断の確定を行っている。現在43名の対象者の面接が終了している。 我々は3種類のメチル化感受性制限酵素を用いて2次元に電気泳動を行うRLGS法を適用することにより、全ゲノムのメチル化を効率よく検出することを可能とした。現在のところ、3家系の二世代精神分裂病同性ペアに対してRLGS法を施行したが、再現性のあるスポットの差異は検出されていない。本年度はRLGS法に変わるものとして、研究協力者の山下らが開発したFRGP(Fluorescence Representational Genomic Profiling)法を適用した。この方法はRLGS法と同様に全ゲノムのメチル化を効率よく検出するものであるが、RLGS法と比べてプロファイリングにかかる時間が短く、DNAをクローニングするときに必要なDNA量が格段に少なくてすむ。現在2家系を解析中である。 また、M-PCR法についてはドーパミン2受容体遺伝子について2世代精神分裂病ペアのDNAのメチル化の程度を比較する予定である。
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