2003 Fiscal Year Annual Research Report
胃切除後骨障害の病態解明と早期診断の確立および治療薬剤の検討
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13671257
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 裕 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20241060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 由朗 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00246373)
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Keywords | ラット / 胃全摘後骨障害 / ビスフォスフォネート / BMD / DEXA / 骨曲げ強度試験 / Osteocalcin / Deoxypyridinoline |
Research Abstract |
(背景)インカドロネート(INC)は強力な骨吸収抑制作用を有する第三世代のビスフォスフォネートであり様々な骨代謝異常への応用が期待されている.そこで我々はラットGX骨萎縮モデルに対するINCの効果を検討した. (対象と方法)6カ月齢の雄性Wistarラットを使用した.動物は以下の4群に割り付けた:Sham-operation, GX control, GX with 0.3mg/kg/day INC及びGX with 3mg/kg/day INC. INC経口投与はGX後1週に開始し,7週間継続した.腰椎及び大腿骨の骨密度(BMD)はdual-energy X-ray absorptiometryにより測定した.大腿骨骨幹部の曲げ強度は3点曲げ試験により測定した. (結果)GXは腰椎及び大腿骨のBMDをそれぞれ24及び20%減少させた.INCはGXにより誘発されたBMD減少を用量依存的に抑制した.GX controlグループと比較し,3mg/kgのINCは腰椎及び大腿骨のBMDをそれぞれ27及び17%有意に増加させた.大腿骨の曲げ強度はGX control groupにおいて30%減少した.INC処置は強度低下を用量依存的に抑制し,3mg/kg groupにおいて有意であった.血清CaレベルはGXにより低下したが,INC処置による更なる低下はなかった.血清osteocalcin及びALPはINC処置により減少し,INC処置は骨代謝回転を抑制することによりGXによる骨萎縮を防止することが示唆された. (結論)ラットにおいてビスフォスフォネート-インカドロネートは胃全摘出による骨萎縮を防止する.
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