2002 Fiscal Year Annual Research Report
門脈枝塞栓後における非塞栓領域の再生に関する基礎的および臨床的研究
Project/Area Number |
13671297
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
梛野 正人 名古屋大学, 医学部・附属病院, 講師 (20237564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 利幸 名古屋大学, 医学部・附属病院, 助手 (80335041)
神谷 順一 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70194975)
二村 雄次 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80126888)
西尾 秀樹 名古屋大学, 医学部・附属病院, 助手 (30345897)
小田 高司 名古屋大学, 医学部・附属病院, 助手 (30311715)
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Keywords | 門脈枝塞栓術 / 門脈血流 / 肝再生 / インターロイキン-6 / 血管内皮 / ストレッチストレス / TNF-α / NFκB |
Research Abstract |
門脈枝塞栓後における非塞栓葉再生のメカニズムについて、以下の結果を得た。 臨床的検討:ヒトの門脈右枝を塞栓すると、門脈左枝の血流が増加するとともに、門脈径が有意に拡大する。左外側前枝、左外側後枝および左内側枝の根部の径を超音波で計測すると、塞栓後3時間でいずれの門脈枝においても約150%の増加が認められた。塞栓前後で、肝再生に関連する各種サイトカインの血清中濃度を経時的に測定すると、インターロイキン-6(IL-6)は塞栓後3時間で有意に増加し、24時間で頂値となった後次第に減少し、7日目には前値に復した。一方、TNF-αおよびHGFには有意な変化を認めなかった。基礎的検討:Human liver sinusoidal microvascular endothelial cells(HLSECs)およびhuman umbilical vein endothelial cells(HUVECs)を特殊なchamber内に培養し、これに150%のcontinuous mechanical stretchをかけると、上清中のIL-6が経時的に有意に増加した。しかし、TNF-αおよびHGFの増加は認められなかった。IL-6のmRNAレベルは、stretch刺激後2時間でpeakとなったが、これに先立ってNFκBの核内へのtranslocationが認められた。 以上の結果から、門脈枝塞栓後には『非塞栓葉の血流増加→門脈径増加(内皮のstretch刺激)→NFκBの活性化→IL-6のexpression』という一連の反応が、非塞栓葉再生のtriggerとなっている事が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Masato Nagino: "Acute hypersplenism with splenomegaly after portal vein embolization"Surgery. 131. 695-696 (2002)
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[Publications] Masami Kawai: "Mechanical stretch-dependent secretion of interleukin-6 by endothelial cells after portal vein embolization"Journal of Hepatology. 37. 240-246 (2002)