2001 Fiscal Year Annual Research Report
膝関節後十字靭帯および後外側支持機構損傷の病態および治療に関する生体力学的研究
Project/Area Number |
13671539
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
須田 康文 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20196900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 俊郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00160531)
松本 秀男 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (50138038)
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Keywords | 膝後十字靭帯損傷 / 膝後外側支持機構損傷 / 靭帯再建術 |
Research Abstract |
膝関節後十字靭帯および後外側支持機構損傷の診断と治療には、いまだ不明な点が多く、これらを明確にすることが本研究の目的です。平成13年度は、まずこれまで我々が行ってきた後外側支持機構再建術の臨床成績から、その成績不良因子について検討しました。その成果は第27回日本関節鏡学会(H.13.9札幌)において、『膝十字靭帯および後外側支持機構複合損傷に対する外側側副靭帯再建術の制動効果について』のタイトルで発表し、後外側支持機構損傷時に、外側側副靭帯に加えて膝窩筋複合体損傷が含まれていると、汎用されている外側側副靭帯の再建のみでは不安定性の制御に限界があることを明らかにしました。この結果は、膝窩筋複合体再建法の確立が必要であることを示しています。また後外側支持機構損傷によって生じる不安定性の制御には、後十字靭帯に対する再建も有用であることが指摘されていますが、現在一般に行われている再建材料を一本のみ用いる後十字靭帯再建法では、正常後十字靭帯の機能を十分には獲得できないのが現状です。そこで我々は、より解剖学的な後十字靭帯を再建するため、二本の再建材料を用いた2ルート再建法を開発しました。短期成績ではありますが、その結果は従来の1ルート法に比べて明らかに優れております(第28回日本整形外科スポーツ医学会(H14.3高知)において『Leeds-Keio人工靭帯を用いた膝後十字靭帯2ルート再建法について』のタイトルで発表する予定)。膝負荷試験機が完成する来年度は、Leeds-Keio人工靭帯を再建材料とし、後十字靭帯2ルート再建法の有用性について生体力学的手法を用いて実験、分析すること、また膝窩筋複合体再建法を考案し、その制動効果について同様に生体力学的実験を行い検証する予定です。
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