2002 Fiscal Year Annual Research Report
変形性関節症の治療のための凍結保存関節軟骨細胞の増殖と移植
Project/Area Number |
13671545
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
龍 順之助 日本大学, 医学部, 教授 (30096854)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西郷 嘉一郎 日本大学, 医学部, 助手 (00339318)
福島 一雅 日本大学, 医学部, 講師 (40328737)
|
Keywords | chondrocyte / proteoglycan / TGF-β / bFGF / IL-1α / growth factor / collagen / Crypeservation |
Research Abstract |
変形性関節症の治療のための軟骨細胞を凍結保存し、その生存率、代謝活性、また成長因子に対する反応について実験を行った。 (方法)幼若雌豚の四肢関節軟骨を採取し浮遊培養後、期間を変え凍結保存し、1)各凍結期間の軟骨細胞の生存率(trypan blueを用い判定)、2)各凍結期間のproteogrican(PG)及びcollagen合成能、3)各種成長因子(TGF-β,b-FGF, IGF-1)添加後のPG及びcollagen合成の変化を検討した。凍結保存は-196℃の液体窒素を用いた。凍結期間は1日、3日、1週間、2週間、4週間、12週間とした。PG合成の指標として^<35>Sを、collagen合成の指標として^3H-prolineを用いた。 (結果)1)軟骨細胞の生存率は、2週間までは90%以上、12週間までは80%以上であった。2)凍結後軟骨細胞の^<35>Sのuptakeは、無凍結軟骨細胞の^<35>Sのuptakeと比べ、各凍結期間において有意差を認めなかった。^3H-prolineのuptakeも、無凍結軟骨細胞の^3H-prolineのuptakeと比べ、各凍結期間において有意差を認めなかった。3)成長因子添加群の^<35>S uptake及び^3H-prolineのuptakeは、1週間、2週間、4週間、12週間の長期保存でもTGF-β、IGF-1、b-FGF (P<0.05)において有意に高値を示した。よって凍結期間長期の12週においてもPG及びcollagenの合成は保たれ、各成長因子添加によるPG及びcollagen合成の促進は維持されていた。 (考察)凍結保存期間12週において生存率は80%であり凍結保存後もPG及びcollagen合成は保たれていることより、凍結軟骨細胞が移植として使用可能であることが示唆された。また、移植時に各成長因子を添加することで、移植母床での軟骨細胞の合成活性が促進されることが示唆された。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Masamitsu Sakamoto, et al.: "RESPONSE OF CRYOPRESERVED CHONDROCYTES TO GROWTH FACTORS"The Nihon University Journal of Medicine. Vol.45 No.2. 1-12 (2003)
-
[Publications] 坂本雅光, 龍順之助 他: "凍結軟骨細胞におけるヒアルロン酸と成長因子の影響"日本整形外科学会雑誌. 76巻8号. S1109 (2002)