2002 Fiscal Year Annual Research Report
肺再生による急性肺傷害に対する治療法の開発:血管内皮前駆細胞の導入を中心とした治療
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13671579
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三川 勝也 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40229662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁科 かほる 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20311780)
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Keywords | 急性肺傷害 / アポトーシス / 肺胞上皮細胞 / フォスフォジエステラーゼ阻害薬 / ブレオマイシン / エンドトキシン / 血管内皮前駆細胞 / 好中球 |
Research Abstract |
ラットより肺胞II型上皮細胞を分離し培養した。ケタミン、リドカイン、プロポフォール、ミダゾラム(臨床血中濃度及ぴ10倍、100倍濃度)、PDE-IV阻害薬のロリプラムの肺胞II型上皮細胞増殖に対する影響をMTT改良法及びBrdU取り込み法にてKGF(10ng/mL)またはHGF(20ng/mL)の存在下・非存在下で検討した。また57BLマウスにロリプラムおよびKGFを投与し肺胞II型上皮細胞の増殖に対する効果(BrdU uptake)を検討した。ラット培養線維芽細胞に対するロリプラム、ケタミン、リドカイン、プロポフォール、ミダゾラムの影響を検討したところロリプラムは増殖因子の存在下でも非存在下でも肺胞II型上皮細胞の増殖を亢進した。プロポフォール・リドカイン・ミダゾラム・ケタミンは増殖効果を示さなかった。ロリプラムの腹腔投与により肺胞II型上皮細胞におけるBrdUの取り込みが増加していた。ロリプラム・プロポフォール・リドカイン・ミダゾラム・ケタミンは培養線維芽細胞の増殖に影響を与えなかった。分離肺胞II型上皮細胞を用いてアポプロテイン(SP-B)産生に対するロリプラムの影響を調べたところSP-BmRNAの発現を亢進した。さらにin vivo実験としてエンドトキシンによる肺胞II型上皮細胞のアポトーシスに対するロリプラム及びプロポフォール・リドカイン・ミダゾラム・ケタミンの影響を調べたところアポトーシスをロリプラムとプロポフォールが抑制した。SDラットにブレオマイシン及びエンドトキシンを腹腔内投与し急性肺傷害モデルを作成このモデルに対しロリプラム、リドカイン、ケタミン、プロポフォール前投与の軽減効果を組織学的変化を比較し気管支肺胞洗浄液中のアルブミンを測定し検討したところ、これらすべての薬剤の前投与において組織学的及び生化学的に肺傷害が軽減されていた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nishina K: "Effects of Intravenous Anesthetics and Lidocaine on Proliferation of Cultured Type II Pneumocytes and Lung Fibroblasts"Anesthesia & Analgesia. 94(2). 385-388 (2002)
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[Publications] 森川 修: "急性肺傷害の病態と治療"臨床麻酔. 26(増刊). 339-353 (2002)
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[Publications] 三川 勝也: "ALI/ARDS治療の最新の進歩:サーファクタント補充療法"現代医療. 34(増刊). 2059-2067 (2002)