2002 Fiscal Year Annual Research Report
頭蓋外短持続電気刺激に対する前庭神経ニューロンの反応に関する生理学的研究
Project/Area Number |
13671767
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
室伏 利久 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30242176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 真一 東京大学, 医学部附属病院, 教務職員
高井 禎成 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50345211)
物部 寛子 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (90334375)
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Keywords | 球形のう / 前庭 / 前庭神経 / 誘発電位 / メニエール病 / 聴神経腫瘍 / VEMP |
Research Abstract |
(1)誘発電位による動物実験 ネンブタールによる全身麻酔モルモットを用い、頚筋上においた電極から誘発電位を記録する実験を行った。この部位で陰性電位が記録されることは明らかであったが、本年度は、外科的に前庭神経を切断した動物でこの電位が消失することを明らかにし、この反応が前庭由来であることが確実となった。電気刺激法については、改良を施し、鼓室内に挿入した双極性の刺激電極によって電位の測定を開始した。本法による動物実験を来年度も継続して行う。 (2)ヒトにおける臨床研究 ヒトにおける臨床研究においては、次のような成果が得られた。平成13年度の研究から、短持続電気刺激による頚筋反応が、迷路病変と後迷路病変の鑑別に有用である結果が得られたことから、この反応を前庭神経炎の障害部位診断に応用した。前庭神経炎の場合約80%の症例では本反応も消失しており、障害部位は前庭神経にあると考えられたが、約20%の症例では、音響刺激によるVEMPが消失している症例においても本反応が認められ、障害部位は内耳と考えられた。このように、本反応の応用によって、臨床的に前庭神経炎と診断される症例のなかには、迷路障害型と神経障害型の二種類に分類されることが明らかとなった。この成果については、2002年に国際平衡神経学会であるBarany Society Meetingで発表した。また、同様の電気刺激で下肢筋からも誘発電位が記録されることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ohki M, Sugasawa K, Murofushi T: "Vestibular evoked myogenic potentials in patrents with contralateral clelayed endolymphatic hydrops"Eur Arch Otouhinolaryngol. 259. 24-26 (2002)
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[Publications] Monobe H, Movila A, Murofushi T: "Revaarkable restoration of speech discrimination after removal of Jugular ferawen schwannowg"Eur Arch Otouhinolaryngol. 259. 170-171 (2002)
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[Publications] Toshihisa Murofushi, Hideki Takegoshi, Masafumi Ohki, Hidenori Ozeki: "Galvanic-evoked myogenic responses in patients with an absence of click-evoked vestibulo-collic reflexes"Clinical Neurophysiology. 113(2). 305-309 (2002)
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[Publications] Matsuzaki M, Murofushi T: "Click-euolced poteutrals on the neck of the guined pig"Hear Res. 165. 152-155 (2002)
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[Publications] Ohki M, Matsuzaki M, Sugasawa K, Murofushi T: "Vestiblar evoked myogenic potentrals in patients with ipsilateral clelayed endolymphatic hydrops"ORL. 64. 424-428 (2002)
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[Publications] 室伏 利久: "耳石器桟能検査の現状と将来"日耳鼻. 105. 137-141 (2002)