2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13671832
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桐生 純一 京都大学, 医学研究科, 講師 (80281096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 均 京都大学, 医学研究科, 講師 (70283596)
柏井 聡 京都大学, 医学研究科, 助教授 (50194717)
本田 孔士 京都大学, 医学研究科, 教授 (90026930)
西脇 弘一 京都大学, 医学研究科, 助手 (90303841)
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Keywords | 細膜虚血 / precouditioning / 白血球・血管内皮相互作用 / Acridine Orange Disital Flourography / adenosine Al受容体 / 糖尿病網膜症 / 網膜光凝固 / 血管透過性 |
Research Abstract |
1.近年、虚血による組織障害に対し、短時間の虚血によるpreconditioningを前処置として行っておくと、その障害が有意に抑制されること、さらにその効果発現にadenosine A1受容体が関与していることが報告されている。ラット網膜虚血モデルにおいて、虚血preconditioningの有効性およびadenosine A1受容体の果たす役割を検討した。Long-Evansラットの視神経鞘を結紮し、5分間のpreconditioningを行い、その24時間後に再び視神経鞘を結紮して60分間の網膜虚血を作成した。その後の白血球・血管内皮相互作用をAcridine Orange Digital Fluorographyを用いてin vivoで定量的に検討した。また、preconditioning直後にadenosine A1受容体阻害薬である8-cyclopenty1-1,3-diprgpylxanthine(DPCPX)を筋肉注射した群でも検討を行った。Preconditioningにより、再灌流後12時間および24時間の時点で白血球のローリングおよび網膜への集積は有意に減少した。しかし、その効果偉DPCPXにより有意に抑制された。以上より網膜虚血障害はpreconditioningにより有意に抑制され、その効果発現にはadenosine A1受容体が重要な役割を果たしていると考えられた。 2.糖尿病網膜症において、網膜光凝固治療後の黄斑浮腫は、重大な合併症のひとつとして知られている。Long-Evansラットにアルゴンレーザーにて光凝固を行い、非凝固部位における白血球・血管内皮相互作用を検討した。さらにEvans Blueを用いて血管透過性の定量も行った。白血球のローリングおよび網膜への集積は光凝固後有意に増加し、それぞれ12時間、24時間でピークに達した。また、血管透過性は経時的な上昇を示した。以上より、網膜光凝固治療後、凝固部位のみならず非凝固部位にても白血球・血管内皮相互作用が増加し、それにより血管透過性が上昇する可能性が示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 野中淳之: "Inhibitory Effect of Ischemic Preconditioning on Leukocyte participation in Retinal Ischemia-Reperfusion Injury"Investigative Ophthelurology & Visual Science. 42. 2380-2385 (2001)
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[Publications] 野中淳之: "Scatter Laser Photocoagulation Causes inflammatory Response in Unphotocougu Cateal Refina"Investigative Ophthelurology & Visual Science. (発表予定).